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ウチの裏庭には柿の木がある。いつだったか忘れたのだが、父が切り倒して何年も経ってから、その切り株から勝手に芽を出し成長した柿の木だ。亡くなった父は、まさか二代目が実をつけているなどと夢にも思うまい。
今年は小ぶりではあるものの、柿は例年以上にたっぷり実をつけた。柿好きの私は大喜びで収穫したのだが「どうすんの、この柿」と、大量の渋柿を目の前にしたカミさんの機嫌を損ねることになってしまった……。
そこで、様々な渋抜きを試してみることにした。焼酎、冷凍、電子レンジ、リンゴ。結果としては、「時短はダメだ」ということである。リンゴと一緒に密封する方法が最も手軽で良いと思ったが、買ってきたリンゴが一週間食べられなくなるというのが欠点である。
初めて柿酢づくりにも挑戦している。柿の持つ酵母を利用して発酵させるのだが、これにはなぜかカミさんが乗り気なので、毎日のカビ対策も含めて、日々の変化を楽しめそうである。
(朝日新聞秋田版 2026年10月30日掲載)
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26日と27日、秋田市のエリアなかいちで「AAB秋フェスタ2026」が開催される。それに伴って「サタナビっ!」も、26日は拡大版で午後1時までの生放送だ。
にぎわい広場でのステージパフォーマンスや全国から出店するグルメブースの数々など、情報たっぷりでお届けする予定。この機会にしか味わえないものも多いので、みなさんもお出かけしてみてはいかがでしょう?
今回、茨城県から「丸満餃子(ぎょうざ)」の出店があるのだが、これはギョーザ好きの間で有名なグループのギョーザと同じタイプのもので、我が家の好物なのだ。ただし、丸満餃子はそうしたギョーザの系列店ではなく、独自のレシピで作られているので、作り方や見た目は似ているが味わいは違うらしいのだ。もう、気になって気になって仕方がない。グルメブースは25日から開いているので、早急に買いに行こうと考えている。
昨年は、番組自体も会場からの生中継だったのだが、今年はスタジオから。会場のにぎわいをしっかりお伝えしたい。
(朝日新聞秋田版 2026年9月25日掲載)
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今月、久しぶりに帰省した息子と一緒に近県へドライブに出かけた。以前から気になっていたドライブインで1時間待って昼食を取り、あちこち巡って、やはりこちらもずーっと前から気になっていた温泉に向かった。
おそらく、以前は大繁盛していたであろう立派な外観。建物の玄関と一体化した、巨木を使った柱や梁(はり)を持つ屋根つき、門扉つきの車寄せは圧巻であった。
しかし、である。玄関の扉を開けるとロビーらしき空間でテーブルを囲んで数人がそうめんをすすっていた。スイカも並んでいる。横を見ると柵の中に白いでかい犬が2匹、退屈そうに寝そべっている。
「ジョリィが2匹……」
一瞬、言葉を失った。
「お風呂いいですか?」「ああ、日帰りは1人500円です」
器と箸を持った中年の女性が言った。うわさ通り、強いアブラ臭を持つ癖の強い温泉で気に入った。風呂から上がると、ロビーには誰もいない。そうめんもスイカもない。あれ? さっきの人たちは? 家族で顔を見合わせたのだった。
(朝日新聞秋田版 2026年8月28日掲載)
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横手高校の優勝で幕を下ろした全国高校野球選手権秋田大会。57年ぶりの甲子園出場とのことだが、選手たちは地元の中学卒で、公立の進学校となれば、ひとつの話題になるんじゃなかろうか。横手やきそばを食べながら応援したい。
秋田大会のある7月、「サタナビっ!」は毎年「凝縮版」と称して3週ほどスタジオを閉じるので、明日、8月1日は久しぶりの生放送だ。そして、今年は高校文化部のインターハイとも言われる、「全国高等学校総合文化祭り」が26日から明日まで県内各地で開催されている。
秋田県での開催は45年ぶりということなので、前回、私は高校3年生。しかも美術部。なのに、ほぼ何も覚えていない。準備期間もあったはずなのに? なぜだろう?
そもそも私は当時のことを忘れていることが多くて、おかげで同期には不審がられてしまいがちだ。それに、深く記憶を探っていくと、不都合な真実を目の当たりにするかもしれない、とこれを書きながら、今、気がついた。
(朝日新聞秋田版 2026年7月31日掲載)
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子どもたちがまだ小学生だったころ、十和田市現代美術館に連れていったことがあったのだが、今回、夫婦2人での青森旅行を計画した折、その行程に組み込んでみた。
展示されている作品の数々のまあ面白いこと。当時、子どもたちと一緒に楽しんでいたつもり、いや、子どもをほったらかしにして作品を堪能したつもりだったのに、どうやら違っていたみたいだ。当時はなんだかんだ言っても、親として振る舞っていたのだと思う。
再訪した美術館は何もかも印象が違っていた。2度目だからということもあるのだろうが、同じ作品なのにまるで見え方が違うのであった。大人同士ということもあるだろうし、自分たちが年をとったということも作用しているんだろうけど。
十和田市は美術館館内だけでなく周辺にも数多くの作品が点在し、建築物も含め街全体がアート空間になっていて、街や景色とともに楽しむ、という感じなので、雨や雪ではなく、晴れの日がよい美術館なのであった。
(朝日新聞秋田版 2026年6月27日掲載)
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今月の連休中に奥入瀬渓流を通った。ところどころで駐車して川縁をのんびり歩けるようになっているので、滝やそそり立つ溶岩の壁などを眺めた。
昼時になり、どこか地元の個人経営のなるべく小さな店で食事をしようとネットで検索したところ、良さそうな食堂を見つけて車を走らせた。店に着くと、行列が出来ていた。
「こんなところになんで?」と驚いたが、この辺りは店が少なくて集中するんだろうから仕方ない(後から知ったのだが、ものすごい有名店なのだった)と思い直し、行列に並ぶことにした。
店の外で待ち、店内に入ってからも待ち、ようやく席に着くことが出来たのは1時間半後。ほとんどの人が十和田名物のバラ焼きを注文していたので、カツ丼とラーメンを食べるつもりでいた私も感化されて、うどん付きで注文した。青森県産牛肉とタレが絶品。くどくない。いままで食したバラ焼きの中で一番うまかった。普段は行列を避けているのに、今回並んだ自分を褒めた。
(朝日新聞秋田版 2026年5月29日掲載)
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以前、あまりのおいしさに衝撃を受けた「花巻そば」を確かめに、鹿角市のそば屋に向かった。
ご存じかと思うが、花巻そばとは、かけそばに焼きのりをのせたもので、のりを「磯の華」に例えた江戸時代から続くそばのレシピの一つだ。のりは、ちぎっても板のままでも提供する店によっていろいろある。通常、別皿でワサビが添えられる。そばとつゆがおいしいのはもちろんだが、のりしかのっていないので、そののりが良くないとどうしようもないそばだ。
果たして……。間違いなくうまいのであった。「確かめに」などとおこがましいことであった。
お土産に天かすをいただいた。それと刻んだネギとごはんをざっくり混ぜてそばつゆで味をつければ「悪魔のおにぎり」が出来上がる。なぜ悪魔かと言えば、食べ過ぎるからである。
たぬきそばやうどんも同様。天かすがつゆと一体化して、とろりとしたあんのようになり、一滴残らず胃の中に流れ込む。うまいものは体によくないなあ。
(朝日新聞秋田版 2026年4月24日掲載)
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夫婦2人で休日のランチにでかけた。昭和のころの住宅そのままのカフェで、床の間のある畳敷きの居間でプレートランチをいただいた。季節の野菜や山菜がたっぷり使われた8種類の料理と座卓から眺める景色は、私の体と心をきれいにしてくれたように感じた。
間口の広い玄関の真正面にある居間の建具は、漆塗りだったり、型板ガラスや富士山の風景のすりガラスが使われていたりして味がある。玄関の薪(まき)ストーブの熱が、建物全体を暖かく包み込む。なぜかはわからないが、時間がとけてなくなっていくようで、ただただぼんやりできる空気感があり、やさしさと豊かさが体に染み込んでくる。
ここのところ、色々忙しくてずーっとくさくさしていて(仕事があることはとても良いことだけども)、体のあちこちに痛みを感じるほどだったのだが、食後のコーヒーをすすりながら店主たちと談笑しているころには、すっかり気分がよくなっていた。癒やしのランチ、ごちそうさまでした。
(朝日新聞秋田版 2026年3月27日掲載)
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連休を使って、久しぶりに夫婦で盛岡市まで出かけてきた。
秋田で上映されない映画をみることと、いくつかのお目当ての店をのぞいてみること、そして何かしらうまいものを食べることが目的である。
映画はやはりスクリーンでみなければと改めて思わされたし(出来ればデジタルではなくフィルムが良い。黒の表現が違うのだ)、店では想定以上のイイ買い物が出来た。
ウチの近所で休日に外食しようとすると、選択肢が限られる印象なのだが、盛岡市だと映画館や店から歩いて10分ほどの範囲でも、選べないくらい多くの飲食店が開いている。
しかし気になる店は予約が必要なところが多く、今回は飛び込みで入れる店を選んだのだが、結果的にどの店も「当たり」で、しっかり食べ過ぎてしまった。野球帽をかぶって、Tシャツに金のネックレス、そして金髪というスタッフが供する十割蕎麦(そば)のうまさには脱帽した。次回が楽しみになった旅であった。旅先での食べ物は大変重要である。
(朝日新聞秋田版 2026年2月27日掲載)
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新年を迎えてから、早くもひと月が過ぎようとしている。もう? 早すぎやしないか?
そう言えば、このあいだの朝、まばたきしたと思ったら1時間が過ぎていたことがあった。時間が盗まれているんじゃないか?
すみません、ただの二度寝です。わかってます。バタバタした年末だったし、新年早々、例年になく忙しくしていたもので、お正月の、あの、少しのんびりした感じというものを味わっていないのだ。
そのせいなのか、「新しい年」という実感が薄い。2月を目の前にして言うことではないかもしれないけど。2月といえば、1日の日曜日に秋田拠点センター「アルヴェ」にて、秋田県非公認ヒーロー「あーまん」の活動開始4周年を記念したイベントが開催される。
私は昨年、番組の企画で対面して以来お付き合いさせてもらっているのだが、その記念ステージに登壇することになっているのだ。普段やらないことなので、色々と勉強させてもらえると思っている。楽しみだー。
(朝日新聞秋田版 2026年1月30日掲載)
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