違いを認め合う心地良さ

千田 まゆこ

 大学時代の友人に久々に会えた。東京出張の合間の短時間だったけれど。鹿児島から出張に来ていた友人もいて、奇跡的。都内に住む2人はそれぞれ双子の母親として働きながら奮闘している。

 筑波大学芸術専門学群芸術学専攻で出会った同期は8人。そのうち6人と何らかの形で今も繫(つな)がっている。好みも性格も考え方もことごとく違っていた。それまで出会ったことがない個性的な面々で、それでもなぜか心地よかった。京都に旅行すると同じ目的地があれば一緒に行動し、それ以外は別行動。そして夜に情報交換して盛り上がり、翌日にまた各自が気になる場所へ。漫画好きの友人の実家で、徹夜で漫画を読みふけったこともあった。それぞれが好きなことに没頭して、それを認め合った4年間、楽しかったなあ。

 今回の出張は、ディレクターとして特別番組を仕上げるため。生まれつき左ひじから先の手がない秋田市の保坂幸平君(12)に出会って6年。これまでの幸平君の挑戦がなんと1時間番組に。東北6県のテレビ朝日系列局の特別番組「ほっとネットとうほく」の「その手で未来を」。ナレーションは由利本荘市出身の俳優・渡部秀さん。県内での放送は11月23日(木・祝)午後3時50分~です。

(朝日新聞秋田版 2023年11月17日掲載)

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