高田 美樹
5日に開かれた今年の東北写真記者協会賞の審査会で、テレビ部門でカメラマンの平泉慶人さんが制作したニュース特集「つながりのあいだに」が最高賞の協会賞に選ばれました。
にかほ市象潟の盆小屋行事を取りあげた特集です。過疎化や高齢化で行事の存続が難しいと伝えるニュースはたくさんありますが、この特集はお盆の帰省や夏休みの絵日記といった夏の日常の風景とともに行事を伝えていて、日々の営みの中に先祖への感謝があることを感じさせてくれます。
私はナレーションを担当しました。収録前に平泉さんとイメージを話し合い、そっとたたずむようなイメージでささやきかけることに。吐息交じりの声をきれいに録(と)ってくれた音声スタッフの佐藤匠さんと、タイミングや気持ちの入れ具合を指示してくれた平泉さん。2人が支えてくれたからこそ挑戦できたナレーションでした。
「つながりのあいだに」は後日、「トレタテ!」などで放送します。もっと多くの方に見ていただけますように!
(朝日新聞秋田版 2024年12月13日掲載)
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すっかり当たり前になったプロ野球の「予告先発」。ただ、私が観戦日程を決めるのは基本的に1カ月ほど前なので、予告先発をチケット購入にはいかせず、なかなか秋田ゆかりの投手が先発する試合を見ることができなかったんです。
初めて実現したのが、8月30日に仙台で行われた楽天とオリックスの試合。明桜高校時代に取材したオリックスの曽谷龍平投手が先発しました。
2対0とオリックスが2点リードした六回、曽谷投手が1アウト満塁のピンチで迎えたのはベテランの鈴木大地選手。ずっとテレビで見てきた選手との対決にドキドキが止まりませんでした。曽谷投手はゴロでピンチを切り抜け、6勝目を挙げました。
もちろん野手の守りがあったからこその結果ではありますが、あの球場全体が押せ押せムードの中で堂々と投げ切った姿に感動しました。ベンチに戻る曽谷投手の背中は一生忘れません!
秋田ゆかりの選手が出る試合をこれからたくさん見られますように。
(朝日新聞秋田版 2024年10月18日掲載)
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夏の甲子園も大詰めです。見逃せない熱戦ばかりで、いつもはのんびり寝ている休日の朝もしっかり起きて試合をチェックしています。
秋田代表は6年ぶりの出場となった金足農業。福岡・西日本短大付属との試合はリードを許す展開の中、6点を追いかける九回の攻撃。3連打で1点を奪い、秋田大会でホームランを打った相馬選手の犠牲フライでさらに1点! さらに2点差まで迫り、中継からでも伝わってくる球場の熱気、すごかったですね。
追い上げ及ばず初戦敗退となりましたが、6年前と変わらず応援したくなるチームであることをうれしく思いました。先輩たちの良さを引き継ぎながら新たなチームの雰囲気をつくってきたのは高橋佳佑主将。6年前はスタメンが全員3年生。今年は1年生から3年生までが一緒にグラウンドに立ち、全員が堂々とプレーするチームでした。
高橋主将がつくってきたチームの姿は来年、再来年へと引き継がれていくはず。甲子園での戦いを糧に新チームがどう成長していくのか楽しみです。
(朝日新聞秋田版 2024年8月23日掲載)
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夏の高校野球秋田大会が始まります。AABでは今年も1回戦から決勝までの試合を生中継しますが、実況アナウンサーの一人として準備を続けるなか、改めて気づいた「野球の面白さ」をご紹介します。
まずは「考える面白さ」。例えば打者がジーッとベンチのサインを見つめる場面をよく見ますが、その間に伝達される作戦や相手との駆け引きを考えるのは面白いと感じます。野球はほかの競技と比べてプレーが止まっている時間も多いですが、ゲームは次に向けて動いているんです!
「成長を見られる面白さ」も欠かせません。今大会に出場する球児の中には取材で小学生のころから知っている選手もいます。夏は3年生の引退がかかる集大成の大会。そんなチームの成長や変化に気付き、中継でたたえる実況をすることが目標です。
高校野球を最高の思い出にしてもらえますように。野球の魅力が多くの人に伝わりますように。実況者としては未熟ですが、人一倍の思いを持って夏に臨みます。
(朝日新聞秋田版 2023年7月5日掲載)
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高校野球の春の秋田県大会が開幕。高校野球の取材に携わり8年目を迎えますが、かつて選手やマネジャーとして取材した方と、いまは報道記者として同じ現場で出会うことがあったり、「選手の弟」としてインタビューした小学生が高校球児になっていたりと、月日が経つ早さも実感しています。
先日、金足農業高校で懐かしい人に出会いました。2018年夏の甲子園準優勝メンバーの高橋佑輔さん。昨年からコーチとして後輩をサポートしています。お話しした中で特に印象に残ったのは、いまのチームについて聞いた時のこと。「やりますよ」。そう話す高橋さんの表情が、当時甲子園を前に自分たちの力を試そうと意気込んでいた姿と変わらずうれしくなりました。
2018年は私も様々な初めての仕事を経験させてもらえたころで、プレッシャーのなか、選手たちから「挑むことの楽しさ」を教えてもらい、頑張れたことがたくさんありました。
再会に感謝! 気持ちで負けず8年目のシーズンに挑みたいです。
(朝日新聞秋田版 2024年5月10日掲載)
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私もやりたい!なんて、最近思ったことはありますか? 私がそんなことを思ったのは、高校野球アナウンス講習会に講師として参加させてもらった時でした。野球部のマネジャーの皆さんに球場アナウンスで意識することをお話ししたのですが、いつもうらやましく思う気持ちを持ちながらの講習会でした。
私の人生でマネジャーになろうか悩んだのは、高校と大学入学の時の2回。ただ、私には小学生の頃に立てたアナウンサーになるまでの人生設計がありました。高校の放送部で基礎を学び、大学生になったらアナウンススクールに通って実践的なことを学ぼうと。
今考えると、どちらも挑戦できたかもしれませんが、当時は自分の将来のためだけに時間を使って、最終的に仕事で野球に携わろうという意気込みでいっぱい。マネジャーになることは選びませんでした。だから、今も球場アナウンスは憧れのままです。
講習会では難しいこともたくさんお話ししましたが、マネジャーのみなさんには、間違いなんて恐れずに楽しみながら思い切りやってほしい!選手に負けず、ものすごく格好良い存在ですから。
(朝日新聞秋田版 2024年02月23日掲載)
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12月2日放送の「サタナビっ!」で初めて「一合一笑」のロケに行ってきました。このコーナーは一軒の店でじっくり腰を据え、美味(うま)い肴(さかな)でお酒を一合飲んで一回笑おうというもの。今回は秋田市大町にある「旬とスパイスのお店 星みや」を訪ねました。店に入った瞬間ふわーっとスパイスの香り。それもそのはず、店内には200種類以上のスパイスがあるんです。
提供しているメニューは店長の星宮さんが世界各国を巡って出会った料理を秋田の食材で再現したものです。メニューを見ただけではどんな料理かわからないものも多かったのですが、星宮さんが一つひとつ楽しく解説してくれて、「こんな食文化があるのか!」とたくさんの発見がありました。
料理を実際に食べてみるとまさに癖になる味。スパイスの奥深さを感じました。個性豊かで食材の味に厚みと彩りを加えてくれているんです。辛い、しょっぱい、甘い……。一つのフレーズでは言い表せないおいしさに、いつの間にかお箸もお酒も止まらなくなっていました。
スパイスのおいしさと世界中の料理に出会った初めての「一合一笑」。次は何に出会えるのか楽しみです!
(朝日新聞秋田版 2023年12月15日掲載)
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経験あるのみ。毎年、そんなことを感じるのが高校野球秋の県大会です。特に秋は、夏の大会を経験した選手がいるチームの強さが目立つように感じます。
夏の大会で味わった悔しさと大舞台で戦い抜いた自信。そんなものが体中からあふれ出ているのではないかと思えるくらい選手たちは成長を遂げています。
先輩たちに引っ張ってもらいながらプレーしていた選手がピンチの場面でもストライクゾーンで勝負できるようになっていたり、投手のテンポが悪くなったタイミングですかさず声を掛けに行ったり。新チームでたくさん練習や試合をし、色々なことがあったと思います。わずか2カ月ですが、毎年、成長するには十分な期間なのかと驚かされます。
夏はメンバー外だった選手もこれから経験を積み重ねていくはず。来年夏には「こんな選手がいたのか」といううれしい出会いがたくさんあるのでしょうね。
私はこの秋の試合で選手たちから刺激を受け、様々な方にアドバイスをもらいながら実況の練習に励んでいます。一つでも多くの経験を積んで、選手たちの成長と頑張りを伝えられるようになりたいと思います。
(朝日新聞秋田版 2023年9月29日掲載)
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7日に夏の高校野球秋田大会が開幕し、球児たちの熱戦が続いています。開幕の5日前、私は球児たちの頑張りの原点とも言える光景に出会いました。
2日、八郎潟町の弁天球場で行われたのは秋田工業と横手清陵の3年生の引退試合です。3年生の中には夏の大会でメンバー入りできなかった部員もいます。3年生を中心にしたメンバーで高校野球の区切りとしてプレーし、その雄姿を家族にも見てもらおうと行われているそうです。
試合は、監督から度々げきが飛ぶガチンコ勝負。秋田工業が機動力を生かして勝利し、試合後にはセレモニーが行われました。
そこで聞いたのは、たくさんのありがとうの言葉。応援してくれたこと。丈夫な体に産んでくれたこと。洗濯をしてくれたこと。家族やマネジャー、高校野球生活を支えてくれた人たちにそれぞれの言葉で感謝を伝えていました。
今大会もこの感謝の気持ちがあるからこそ生まれる一球や一振りがたくさん見られます。選手の思いを込めたプレーを放送でしっかりと伝えられるよう、私も精いっぱい頑張ります!
(朝日新聞秋田版 2023年7月14日掲載)
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プロ野球が開幕して1カ月余り。今年も試合速報を見るのが日課になっていますが、速報を見ていてもたってもいられなくなったのが秋田商業高校出身の成田翔投手の初登板です。
成田投手は去年までの7年間で1軍登板は15試合。去年は1軍登板がありませんでした。オフには出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させようとプロ野球で初めて行われた現役ドラフトで千葉ロッテマリーンズから東京ヤクルトスワローズへ。新天地で何とかチャンスをつかみたいと幕を開けたシーズンでした。
約2年ぶりの1軍登板という吉報が届いたのは4月25日。1軍登録され、すぐに初登板。1回1/3を無失点に抑えました。まだ見慣れないヤクルトのユニホームを着た成田投手が三振を奪った場面には胸が熱くなりました。
出場機会に恵まれなかった間もフォームを変えるなど試行錯誤をしてきた成田投手。ヤクルトには同じく秋田出身の石川雅規投手や石山泰稚投手という心強い先輩たちもいます。
30日に登録抹消となりましたが、またはい上がって来てくれるはず。新天地でのさらなる活躍に期待しています!
(朝日新聞秋田版 2023年05月04日掲載)
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