新たな「相棒」と心機一転

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 放送が始まって21年目に突入している「サタナビっ!」ですが、今月から新しい顔ぶれと新しいスタイルで番組をお届けします。いや正確には新型コロナ拡大前の形に戻っただけなんですが。

 一言でいえば、人と人の距離が近くなったのだ。4年前、このコラムで「ニンゲンがニンゲーーーンになってしまった」と書いたのだけれど、ようやく「ニンゲン」の姿に戻りつつあるわけだ。

 新たな相棒の中島千歩アナウンサーは去年秋田に来たばかり。でも何度か盃(さかずき)を交わしているので気心は知れている。そもそも番組のスタート時は私を含めて新人だらけだった。

 今では地元の情報番組として定着した感もあるし、周りからは人気番組として見られている節もある。安定も大事なのかもしれないが、常に新鮮な視点を持ち続けて、挑戦的な姿勢を保っておかないといけない。

 そのためにも新しい人が加わるというのはもってこいなのだ。心機一転、今までと一味違う番組をお届け……できるかな?

(朝日新聞秋田版 2024年4月5日掲載)

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激励の歌で今日を始めよう

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 2月14日午後6時半から、つまり水曜の夜に「サタナビっ!」の生放送があったのですが、ご覧いただけたでしょうか? 土曜の朝の番組が水曜の夜に堂々と。しかも、秋田出身のシンガー・ソングライター高橋優書き下ろしの番組テーマソング「オープンワールド」を引っさげて。

 深みのある痛烈な歌詞と自由自在なメロディーラインで、聴けば聴くほどしみてくる。秋田に住むすべての人に贈る激励の歌だ。高橋優、地元思いの素晴らしいアーティストである。今さら何を言うかって感じですかね? とにかく、みなさんにぜひ聴いていただきたい! ちなみに今のところ、番組内でしか流れませんので。

 この20年、土曜の早朝に準備を始めていたのが、水曜の夕方からだったせいか、調子が変な生放送だったと、自分では思う。しかし、ありがたいことに、多くの方々に視聴していただいたようである。また多くの恥をさらしてしまったわけだ。

 まあ、それはしょうがないこととして、これを契機に番組が新しい扉を開けることができるか楽しみである。そう「オープンワールド」の歌詞のように。素晴らしいかもしれない今日を始めよう――。

(朝日新聞秋田版 2024年3月1日掲載)

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心からオススメしたい映画 サントラで浸る日々

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 今のようなシネコンがなかった若いころ、毎週のように映画館に通っていた時期があった。今でも映画館には足を運ぶけれど、その機会はめっきり減った。それでも、すべての人に見てほしいと思うような、とんでもなく素晴らしい映画に出会うことは少なくない。

 カンヌ映画祭で役所広司が男優賞を受賞した「パーフェクト・デイズ」もそんな作品だ。監督はドイツ人だが、東京が舞台で日本語の映画。「余白」が多く、人によって様々な違った印象を持つ作品だと思うけれど、それでもオススメしたいと心から思うのである。

 劇中で流れる1960~70年代の楽曲もかなり重要で、歌詞(英語だけども)が絶妙に場面に呼応し、驚くべき効果を見せていて、心が震え、涙腺がゆるんでしまう。しかも、私の好きな曲も多くて、「こりゃサントラ盤を買わねば!」と思ったら、発売されていないようなのだ。仕方がないので手元にない曲は買うなどして全11曲、自分で集めた。映画は2回見たが、音楽はほぼ毎日聴いている。

 監督の話によると、許諾を得られず使用できなかった曲もあったらしい。それが何だったのか気になってしょうがない。

(朝日新聞秋田版 2024年1月26日掲載)

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熊と大雨それからじゃこ天 ZENさんの今年1年 驚きの還暦祝いも

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 今年ももう残りわずか。毎年のことだけど、時の流れはここからさらに速くなるように感じる。

 今年は番組が放送20周年を迎えたことで、いつもとは違う記念企画があって、さらに、私の還暦祝いまでしていただいた。赤いちゃんちゃんこならぬ、赤いライダースジャケット! いわゆるサプライズというやつで、まったく知らされることなく、生放送中に突然披露された時の驚きは、自分でも笑っちゃうくらいだった。周年企画は続くので、来年も乞うご期待!

 しかし、今年ほど秋田の「悪い」ニュースが全国に広がったことはないんじゃなかろうか。熊と大雨被害、それからじゃこ天。じゃこ天は人々の良心のおかげで良い方向に転換できたようだったけれど、熊と大雨被害はいまだに問題が山積している。

 本格的な雪の季節に突入して、年のせいだろうか、一段と寒さに弱くなってきたようだ。体調も見事に崩す。何か体に良いこと始めないと、などと今まで一度もやったことがないことを考えてみたりもする。

 今週の「サタナビっ!」が今年最後の生放送です。暖まりながらお楽しみ下さい。良いお年を!

(朝日新聞秋田版 2023年12月22日掲載)

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家族ら貴重なスタジオ体験

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 今年は「サタナビっ!」が放送開始20周年、私が還暦を迎え、周りから何かと区切りだとか記念だとか言われることが多い。しかし、個人的にはそういうことにあまり思うところがないので、何となく申し訳ない気持ちにさせられてしまうのが嫌である。

 そんな折、親類家族が関東から5人で秋田に旅行に行くので、よかったらスタジオを見学させてほしいと言う。番組は、ギリギリのスペースとスタッフで回しているので厳しいだろうと思ったが、局には快く引き受けていただき、リハーサルから本番までたっぷり見学させていただいた。

 私が座る位置からは見学している様子はほとんど見えなかったので、余計なことを意識せずにいつも通り放送を終えることができたのだが、後から聞いたところ、見学中、スタッフから随分気を使われていたらしい。優しさに感謝であります。いいスタッフが集まっているからこそ、いい番組ができるのだということを改めてかみ締めた。

 当人たちは貴重な経験になったと大喜びで、私も孝行できてうれしかった。結果的には還暦とか20周年とかいう節目をしみじみ感じることになった次第。

(朝日新聞秋田版 2023年11月10日掲載)

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放送20周年、感謝を込めて

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 「サタナビっ!」は放送開始20周年を迎えました。調べてみるとこのコラムで10周年、15周年の時も書いていた。そーゆー節目の時には自分に言い聞かせるように「長年続く老舗の味も、実は少しずつ時代の変化と共に変わっている」とか「同じものをただなぞっていては続かない」などともっともらしい言葉をこねくり回したりするのだが、今年は身の回りで色々普段起きないことが起こりすぎて(ひとつひとつは大したことではないのだが)、何か振り返ったり感慨にふけったりする余裕がなかったりして。

 放送千回の時に振り返ったからもういいか、という気持ちがどこかにあるのかもしれない。我ながらエラそーである。そもそもセレモニー的なものを面倒くさがる私自身の性格も影響しているんだろう。しかし、20年といえば生まれた子が酒を飲める年齢になるような時間だ。振り返ったりお祝いしたりする価値だって少しくらいはあるでしょ。ねえ。

 と、いうわけで、今週は番組を支えていただいた視聴者のみなさんへの大きな感謝の気持ちを表すべく、秋の十和田湖へ旅しながら「大きな」プレゼントを用意しております。お楽しみに!

(朝日新聞秋田版 2023年10月6日掲載)

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サタナビっ!放送1000回、悲願の三陸へ

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 なんと「サタナビっ!」が今週、放送1000回を迎える。秋田の魅力をお伝えした回数と言えるし、面白さで笑顔を届けようと努力した回数とも言える。「千」は単なる数字の単位ではなく、数が多いという意味がある。たくさんの人がたくさんの努力を重ねたくさんの楽しさを生み出した結果というわけで、節目としてなかなか美しい。おっと、自画自賛してしまった、、、

 私は千回、土曜の朝にあいさつをしてきたことになる。休まずに長い間よくがんばったということで(?)、今回、私の10年越しの念願であった北三陸の旅に出かけたのだ。

 2013年の「最高最強」(個人の感想です)のテレビドラマ「あまちゃん」の舞台である。当時、私は完全にハマっていた。だから、どうしても北三陸鉄道(本当は三陸鉄道)に乗って北三陸駅(本当は久慈駅)に行って、ウニ丼(弁当)を泣きながら食べたかったのである。

 もちろん、番組の企画なので、私が個人的に楽しんで来たわけではなく、あまちゃんファンではない視聴者のみなさんでも楽しめるモノやコトも紹介するし、お土産も用意してきたので、お楽しみに。

 私は近々個人的にまた久慈に出かけるつもりです。

(朝日新聞秋田版 2023年9月1日掲載)

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農家お手伝い スイカどっさり

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 先日、弭間(はずま)花菜アナウンサーに誘われて、スイカ農家の収穫のお手伝いをしてきた。彼女はこれまでの取材を通じて農協や農家の方々とのパイプをしっかり持っているのだ。

 今年は雨が多くて、少し糖度が低いと聞いていたが、収穫作業の合間に食べさせていただいた採れたてのスイカはすこぶる甘くて歯ごたえもよく、なんの遜色もないように思えた。

 例によってお手伝いというよりは邪魔になっていただけのように思えるわけだけど、農家の方から「日当だ」といってスイカとナスとブルーベリー、受粉のために飼っているミツバチが集めたハチミツなんかを、どっさりいただいた。

 コロナの影響で需要が変容して作物の売れ方や量が変わってしまい、育てたものを市場に出せず無駄になってしまっているというようなお話も聞いた。売れていたものが売れなくなったり、売れていなかったものが売れたりと、色々だ。農作物は売れないからといって置いておけるものばかりではないから大変だ。

 その日の夕食はナスを中華風に炒め、10キロを超えるスイカの4分の1をカミさんと2人でたいらげた。満腹であった。

(朝日新聞秋田版 2023年8月4日掲載)

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「笑い」絡めた麺料理をどうぞ

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 サタナビっ!には「new麺’sCLUB」というちょっとふざけたコーナーがある。そこで私が着ている黄色いスーツは80年代のイタリアブランドもの。結構高い金を払った私物である。

 当時はほとんど着なかったが、気がつけば番組のコーナーでもう8年くらい着続けている。まさか20代の頃に買った服を50歳を過ぎてから着るとは夢にも思わなかったけれど、元は取ったな、という感じである。

 タイトル(もちろん昔あった男性ファッション誌から拝借した)の通り、カッコいい奴(やつ)らがカッコよく各地の麺類を食べて紹介するはずなのだが、まあ実際はカッコよさとは程遠く、笑って見てもらえる異色のグルメコーナーだ。

 今回は道の駅に併設されている飲食店の麺類などを紹介しているのだが、実は収録の時におかしくなって、笑い過ぎてとても放送できないような内容になることが多い。そこで、担当ディレクターの編集で、うまいこと「料理の魅力」と「笑い」のバランスをとってオンエアにこぎつける。

 笑いが強すぎると、肝心の「麺」がかすんじゃうからね。改めて書きますが、麺料理を紹介するのが「麺’sCLUB」です!

(朝日新聞秋田版 2023年6月30日掲載)

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丼ものは完璧な食事 学生時代のご褒美はカツ丼

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 「サタナビっ!」の新メンバーに加わった高田美樹アナウンサーといろいろな丼を平らげてきた。高田さんはなかなかの大食漢だといううわさだけは耳にしていたので、「食べる」ロケを楽しみにしていた。その様子が、5月27日の番組で放送されました。

 丼ものにはたいてい、小鉢や漬物とみそ汁がついてくる。私の見解では、ほぼ完璧な食事である。

 金欠の学生時代、バイト代が入った時に近所のそば屋でカツ丼ともりそばを頼むのが自分へのご褒美だった。そのカツ丼がまあうまかった。

 カツは厚過ぎず薄過ぎず。衣と肉のバランスが絶妙で、サクッとした衣の食感を残し、上にかかった卵は全体に火が通る一歩手前。黄身と白身は完全には混ざりあっておらず、黄色い部分と白い部分がまだらにカツを覆っている。

 ツユはそばのかえしを使っていて甘すぎずキレがよく、白飯の底の方までは染み込んでない。トンカツと卵とツユと白米、おのおのが見事に並び立っていた。

 そうでなくともカツ丼には目が無い。事情が許す限りなるべく食べたい。ご飯がおかずで覆われているのが好きなんだな、きっと。

(朝日新聞秋田版 2023年5月26日掲載)

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