そもそも私……中継経験少ないんです

藤盛 由果

 去年、3人の後輩アナウンサーが加わってから、中継をする時の心構えやコツを聞かれる機会が増えました。これまでそんな質問されたことなかった!なんて内心ドキドキしながら、それっぽい答えを返してきた私には、緊張の理由がもう一つありました。

 そもそも私……中継の経験が少ないんです。番組MCとしてスタジオにいることがほとんどだった、この10年間。中継って楽しそう、おいしいものが食べられていいななどと無責任に発言していたツケが回ってきました。このままでいいのか悩んでいると、上司から「中継出る?」とありがたいお言葉。そして実現したのが先月、「トレタテ!」で放送した桜の中継でした。数ある名所から場所を選び、伝えたい事柄をまとめ、カメラマンに意見をもらい……。一筋縄ではいかないこともありましたが、その分やりがいがありました。

 「トレタテ!」は、やりたいことはどんどんやろう!という自由な番組。後輩の活躍の場に影響がない範囲で今後も中継に出たいと思います。

(朝日新聞秋田版 2024年5月2日掲載)

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「推し活」で彩り豊かな人生に

藤盛 由果

 好きなものを応援する「推し活」。この言葉が世の中に広がる以前から、約30年続けています。

 「推し」に対する情熱の注ぎ方は人によって様々ですが、前よりも日常的に、カジュアルに推し活を楽しめるようになったなぁ、と思うのです。

 きっと、その理由の一つは「推し色」の登場。いつの頃からかメンバーカラーやグループカラーなるものが現れ、日常生活にいかに採り入れるかを考えるように。色によって味が異なるお菓子も、選ぶ時は味よりも色を重視! ちなみに今の私の推し色は青と緑なので、ソーダ味や抹茶味を食べる機会が増えています。本当はイチゴ味が食べたいんですけどね。

 これだけ聞くと、私の持ち物は全て青か緑になっていそうですが、そう単純ではないのが推し活。「次の舞台は赤と黒がテーマカラー」と聞けばその色の服を買い、「推し」が2月のカレンダーでピンクの服を着ていたので、その月の私の服はピンクが多め。こんなことを繰り返すうち、私のクローゼットは目がチカチカするほどカラフルに……。

 大好きな「推し」のおかげで、私の人生はとっても彩り豊かです。

(朝日新聞秋田版 2024年2月16日掲載)

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似てるようで似てない ばあちゃんと私

藤盛 由果

 私は祖母と趣味が合う。一緒にテレビを見ていて、「ばあちゃんはこの人が好き」と指さす人は、大抵が私の好きなタイプとかぶる。

 祖母から服をもらったりもする。年齢が60近く離れていて服をもらえる関係は、なかなか珍しいのではないだろうか。もらった服を着ていて、これまで一度も「いつもと雰囲気が違う」なんて言われたことはないし、むしろ「今日の服いいね」と褒められることが多い。そんな時は心の中でひっそりと、ばあちゃんからのお下がりなんだ、と自慢している。ちなみに写真の服がそうなのだが、いかがだろうか。ラインストーン付きの、お気に入りの一着だ。

 しかし、食の好みは合わない。例えばアップルパイ。私はパイ生地が多いものを選び、祖母はリンゴがゴロゴロ入ったものを選ぶ。だからこそ一緒に食事をして、祖母からパイ部分をもらい、私はリンゴをおすそ分けする。

 似てるようで似てない、でもなぜか合うのが祖母と私。凸と凹が合った、そんな関係。これからもお下がりの服を着て、アップルパイを食べるたびに、ばあちゃんの孫だなぁと思うのだろう。

(朝日新聞秋田版 2023年12月8日掲載)

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猫さまさまの幸せな日々

藤盛 由果

  藤盛家には「困った時は猫を頼る」という決まりがある。猫好き、という単純な理由からくるものだが、思った以上の効果がある。

  旅行先など知らない土地を歩いていると、ふと猫が現れることがある。こっちに来いと言われている気がしてついて行くと、ガイドブックに載っていない新しい店や、地元住民が愛する店にたどり着いたりする。

 しかし、猫が現れたからといって必ずついて行くわけではない。時には、こっちは違うと言われている気がすることもある。それでも猫好きの性(さが)で猫のいる方に向かうと、道に迷う。あの猫は、こっちに来るなって言ってたんだなぁと思いながら来た道を戻ると、さっきと同じ場所にまだその猫がいた。だから言ったじゃん、とでも言いたげなけげんそうな顔をしている(気がした)。

 これは一例で、日々猫に助けられながら生活している。まさに猫さまさま。とはいえ、私もわかっている。そんな気がしているだけなのだと。それでも猫のおかげで楽しく過ごせていると思えば、幸せ度が高まるのだ。

 9月20~26日は動物愛護週間。私は猫様に、みなさんも大好きな動物に、めいっぱいの愛情を。

(朝日新聞秋田版 2023年9月22日掲載)

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負けず嫌いの血が騒ぐ「詰め放題」

藤盛 由果

 やると決めたからには、絶対に負けたくない。いつから私は、自他ともに認める負けず嫌いな性格になったんでしょう。生まれつきと思われがちですが、昔は引っ込み思案で、そんなに負けん気が強いタイプではありませんでした。この話をすると、必ず「うそだ」と言われてしまうほど、幼少期とは正反対の性格になっています。何がきっかけで変わったのか、本人も覚えていません。

 そんな私の性格が遺憾なく発揮されるのが「詰め放題」。初夏あたりから、いろんな野菜の詰め放題のイベントが行われていて、見つけるとついチャレンジしてしまいます。最近行ったのは、三種町のそら豆詰め放題。「トレタテ!」の金曜中継で、中島千歩アナウンサーが詰め放題開催を伝えた瞬間、私の中でイベント参加が決まりました。

 結果は写真の通りです。私よりも後に始めた人が詰め終わっても、袋から時折苦しそうな音が聞こえても、焦らないのが私なりのコツ。隙間をなるべくつくるまいと頭をフル回転させ、我ながらうまく詰められました。……と思ったのもつかの間。一緒に参加した叔母が、私よりも多く詰めていました。悔しい! 次は絶対に負けません。

(朝日新聞秋田版 2023年7月7日掲載)

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同期の絆 大切に 新入社員に先輩からのエール

藤盛 由果

 この春AABに新入社員が仲間入りしました。同期で共に研修を受け、今は配属された各部署に分かれて仕事の基礎を学んでいます。昼休みにそろってご飯を食べ、それぞれの活動報告をしている姿は、ほほ笑ましいです。

 私には入社から丸12年、ずっと同じ部署で働く同期が1人います。彼女はずっとニュース担当、私は昨年度まで情報番組担当。近くにいながらも一緒に仕事をする機会は数えるほどでしたが、この春からは私もニュース担当。一緒に仕事ができることがちょっぴりうれしかったりします。いや、とてもうれしく、とても心強く思っています。

 そんな彼女と不定期開催している「同期会」という名の飲み会で、たまに話題にあがるのが、「私たち、学生時代に出会っていたら仲良くなってないよね」ということ。絶対に別のグループだったよね、なんて言いながら酒を飲み、同期入社で良かったねと笑い合う時間がたまらなく好きです。

 本当に「同期」とは不思議なもの。育った場所も年齢も異なる人たちと不思議な縁でつながり、同期のためなら頑張るかと思えたりします。新入社員よ、同期を大切にね。

(朝日新聞秋田版 2023年4月28日掲載)

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自然に身についた特技はヘアアレンジ 衝撃の展開は

藤盛 由果

 この時期アナウンサーにやって来るお仕事の一つに、プロフィルの書き換えがあります。一言コメントを変えてみたり、好きなものが変わっていたり、担当番組が変わったり。今年も担当部署から「変更があったらお知らせください」と連絡があり、何か書き換えることあったかなぁとプロフィルを見返してみたところです。

 書く時にいつも悩むのが、特技の欄。人に褒められるような、自信を持って特技です!と言えるようなこと、私には無い……と思っていたんですが、気づきました。私、「ヘアアレンジ」が得意です。

 バレエや社交ダンスを習い、その発表会では自分で髪形を作っていたので、自然と身についた特技。初めはお団子一つ結うのにも15分ほどかかっていましたが、いつの間にか鏡がなくてもササッと結えるようになりました。髪を結うため、髪形もほぼロングです。

 番組の感想にも時折、ヘアアレンジを褒めてくださるコメントがあり、朝頑張って良かったと一人ニヤニヤしている……なんて言いながら、衝撃の写真。全貌(ぜんぼう)は、明日のサタナビっ!をご覧ください。

(朝日新聞秋田版 2023年03月24日掲載)

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占いあまり気にしないけど… 気になったゾロ目との縁

藤盛 由果

 昨年末からゾロ目によく出合います。前を走っている車のナンバーが4桁そろっているというのは10回以上ありました。

 ほかにもレシートの金額がゾロ目、お店で受け取ったお客様番号がゾロ目、たまたま見た動画の再生回数がゾロ目など……。先日はふとスマホを見たら1月11日の11時11分でした。2日に1度はゾロ目に出合うので、初めは「何かいいことあるかも!」と思っていた私も、今では何かほかの意味があるのではと思い少し怖くなるほど。

 おびえてばかりもいられないので、ネットで調べてみました。

 そもそも、私は占いなどをあまり見ないようにしているタイプです。ネガティブな内容を目にしてしまえば1日その言葉に引きずられ、ラッキーカラーの物で周りを埋め尽くしたくなるほど影響を受けてしまうから。それでもゾロ目は向こうからどんどんやって来ます。気にするなというのが難しいほどに。

 結果はほぼどのサイトも前向きなことが書かれていました。幸運の前兆、チャンスの到来、人生の転機など……。ちょっと安心。ちなみにこの文章は444字です。

(朝日新聞秋田版 2023年1月20日掲載)

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憧れのバイオリン 目標は・・・

藤盛 由果

 愛知県に誕生したジブリパークが気になっています。ジブリ大好きな友人には「ディズニー派じゃん」と言われましたが、小学生の頃から大好きな作品があるんです。

 「耳をすませば」。主題歌カントリー・ロードも、作中に出てくる猫の人形バロンも大好きですが、最も好きなのは登場人物のひとり、天沢聖司くんの声。一目ぼれならぬ一聞惚れをしました。バイオリン職人を目指している天沢くんに憧れ、バイオリンを習いたいとも思っていました。

 あれから約20年……。ついに今年、習い始めました。最近の十八番はモーツァルト。時折、黒板を引っかいたような音がしますが、本人は至ってノリノリです。しかし今、壁にぶつかっています。習ったことがあるピアノは鍵盤を押せば、音色に違いがあれどその音は出てくれました。バイオリンは違います。弦の正しい位置を押さえられないと正確な音が出ないのです。弦には何の目印も無いため、気づくと音がどんどん高くなっています。

 今の目標は十八番を正確な音色で弾けるようになること。自慢げにモーツァルト!と書きましたが曲名は「きらきら星」です。

(朝日新聞秋田版 2022年11月11日掲載)

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30周年のコラボ実った

藤盛 由果

AABは今年30周年。開局日である10月1日と翌2日、エリアなかいちで秋フェスタを開催します。皆さんも、AABの三十路を一緒にお祝いしてください!

30周年を迎えるにあたり約1年前からプロジェクトチームが立ち上がり、どんなコンテンツを作るか、催し物をしようかと会議を開いてきました。さまざまな部署から選抜メンバーが集まり、私もチームの一員に任命されたのですが……。担当は広報。番組づくりが仕事の私にとっては、未知の領域です。

広報の「こ」の字も知らない私が思いついたのが、AABのマスコットキャラクターと、誰もが知る超有名キャラクターをコラボレーションさせたい!というもの。いざ取り掛かると、大人の事情も複雑に絡み合い、思うように進まず。無知の思いつきじゃうまくいかないかと諦めかけた時、チームの先輩から提案していただいたのが、アニメが30周年を迎える「クレヨンしんちゃん」でした。

多くの方にご協力いただき、可愛いロゴやグッズも無事に完成しました! 会場やテレビでしんちゃんを見かけたら、広報班がんばったなと、思っていただけるとうれしいです。

(朝日新聞秋田版 2022年09月09日掲載)

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藤盛 由果

FUJIMORI YUUKA

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