うまいものは体によくないなあ

ZEN

 以前、あまりのおいしさに衝撃を受けた「花巻そば」を確かめに、鹿角市のそば屋に向かった。

 ご存じかと思うが、花巻そばとは、かけそばに焼きのりをのせたもので、のりを「磯の華」に例えた江戸時代から続くそばのレシピの一つだ。のりは、ちぎっても板のままでも提供する店によっていろいろある。通常、別皿でワサビが添えられる。そばとつゆがおいしいのはもちろんだが、のりしかのっていないので、そののりが良くないとどうしようもないそばだ。

 果たして……。間違いなくうまいのであった。「確かめに」などとおこがましいことであった。

 お土産に天かすをいただいた。それと刻んだネギとごはんをざっくり混ぜてそばつゆで味をつければ「悪魔のおにぎり」が出来上がる。なぜ悪魔かと言えば、食べ過ぎるからである。

 たぬきそばやうどんも同様。天かすがつゆと一体化して、とろりとしたあんのようになり、一滴残らず胃の中に流れ込む。うまいものは体によくないなあ。

(朝日新聞秋田版 2026年4月24日掲載)

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