あいたいAAB

新岡 智昭

初の記録番組に集大成を

今年7月で30歳になる。「もっと立派なオトナになっていると思った……」と嘆息する人の話をしばしば耳にするが、私は「まずまずの出来では?」なんて自己評価している。幸い、生活には困っていないし、心身ともに健康だからだ。

何よりテレビの仕事が楽しくて仕方ない。幼い頃から憧れていた世界で、不遜な言い方だが、曲がりなりにもプロの伝え手として働けている。とは言え今の実力には満足していない。毎日が修業である。

ただ、最近ふと思う。自分の「伸びしろ」はどれくらい残っているのかと。尊敬する先輩たちの背中が、何年経っても同じ大きさに見える。新人時代に思い描いていた理想像に到達できるのか分からない。それでも時間は容赦なく流れるし、良くも悪くも日々の仕事に忙殺されてしまう。

このたび、全国放送のドキュメンタリー番組「テレメンタリー」を制作することになった。バラエティー色の濃い旅番組や科学教養番組などの経験はあるが、ドキュメンタリーは初めての挑戦。大海原にボート1艇で繰り出すような気分だ。本格的な取材はこれから始まるが、パドルをこぐ手はすでに汗ばんでいる。あわよくば順風よ吹け。研鑽の集大成を見せる時が来た。今年も忙しい1年になりそうだ。

(朝日新聞秋田版 2020年01月15日掲載)

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