同じレシピ 人の数だけ違う料理に

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 先日、仕事で久しぶりに料理を披露することになった。私が家庭で作っている春巻きを「サタナビっ!」のなかで紹介し、後日、同じものを湯沢市のセミナーの参加者全員で一緒に作るという段取りだったが、苦労したのが「レシピ」づくりである。

 料理を作ること自体には何の問題もないのだが、問題は調理する作業を数値化、文章化することなのだった。普段のいい加減な分量と感覚だけの作業、それを数字にするために同じものを4回作る羽目になった。

 そして手順を他人に伝えるための「文章化」が、またやっかいな仕事だった。そもそも、レシピが同じでも100人が作ったら100通りの料理が出来上がるはず。家庭によって道具も素材もそれぞれなのだから、違って当たり前でしょ。だから、レシピはただの参考程度に考えて、自由に作っていいんじゃないかと考えている。

 湯沢の会場でも参加者それぞれのユニークな料理が完成し、楽しく食事をすることができた……と思っているんだけど。

(朝日新聞秋田版 2024年10月25日掲載)

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