あいたいAAB

弭間 花菜

春になれば思い出す

秋田も各地で桜が満開になり、すっかり春ですね。冬から春になる3月、4月は別れと出会いの季節。少し寂しかったり、うれしかったりと、様々な思いをされた方も多いのではないでしょうか。

春になると秋田に来た時のことをふと思い出します。今の会社から内定をもらい胸が高まる一方、大学まで実家暮らしだった私には寂しさもありました。

秋田へ発つ日のことは今も鮮明におぼえています。いつものように父と姉が「行ってきます」と出かけ、愛犬ゆずと母が見送ってくれる毎日。ずっと育ってきたこの家の玄関から「行ってきます」と出かけるのは終わりなんだなと、感慨深くなりました。

笑って出発しようと思っていましたが、なぜか涙が止まらなくなり、新幹線乗り場では母も泣いていて、涙もろい私たちはお互いに「何で泣いてるの~」と笑いながら号泣しました。私はさらに、新幹線の車中で大好きなおかずが入った母のお弁当と家族からの手紙に涙があふれました。「家族はいつも味方だよ」。春になると思い出します。

大事に育ててくれた家族に感謝です。うまくいかない時、大きな支えになっています。学生時代は家族に頼りきりでしたが、秋田に来て成長できたと思います。秋田での出会いを大切に、3年目、新たな気持ちで頑張ります。

(朝日新聞秋田版 2021年04月17日掲載)

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