あいたいAAB

ZEN

不穏な空気 温泉で流して

ぬるりと特に何の感慨もなく新年を迎えてしまった。心配になるくらい雪がない暖冬で、体が冬を感知していないせいもあったかもしれない。しかし新年早々、仕事始めの日に抜歯されるという思わぬ出来事があり、これは初詣のおみくじで凶を引いたせいかと新年の多難を予感させられたものだが、「神社が初詣の時期のおみくじに凶を入れとくもんかねえ?」などと悪態をつきたくなるのも仕方がないではないか。ただ、抜歯に関しては昨年から予定されていたもので、治療の流れとしてたまたまその日になっただけらしい。まあ、覚悟はしていたのだが。最近やっと歯が無くなった空間に慣れてきた。

何やら不穏な空気感漂う新年のスタートを切ったわけだが、先日の大館の取材ではそんな全てを洗い流してじんわりと穏やかな気分にさせてもらった。秋田犬がいる「ふるさわおんせん」である。夢のお告げで掘ったら湧き出た温泉で、レトロで町の定食屋のような雰囲気が漂う宿だ。日帰り入浴も格安でできる。秋田犬の母娘に迎えられただけで気分が休まる。簡素な浴槽だが、ナトリウム硫酸塩泉のお湯がいい。その温泉水で炊いたおかゆがまたうまい。オシャレ度は低いが、なぜだか気持ちがゆったりするのだ。今度は取材なしで泊まろうと思った。

(朝日新聞秋田版 2020年01月22日掲載)

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