晩酌(D照井)

2019年10月18日

小さい頃から、大人がお酒を飲んでいる所にいるのが好きでした。
近所の床屋の父さんと、うちのじいちゃんは飲み友達。
お酒を飲みながら何を話していたかは分かりません。
今私が大人になって、お酒を飲んで話すことと言えば…
大体、同じようなことを話しながら盛り上がっていたと思います。

子どもです。お酒には全く興味がありません。
興味があるものと言えば…おつまみ!
今日はカツオの刺身!
そして、肝をつぶして醤油と混ぜて食べるイカの刺身!じいちゃんの得意な一品です。
あとは山菜だったりキノコだったり、季節の物が並びます。
じーっと見ていると「ほれ!来い!」と言われて、
じいちゃんがあぐらをかいている所にちょこんとすわってパクリ。
夕食には並ばないものを食べた満足感で大喜びでした。

部屋の中がお酒臭くなり、換気のために少し開けた窓からの風が、どこか心地よかった。
ある程度時間が進んで、控えめなうちのばあちゃんがお酒の場所に現れると…
空気を読んで床屋の父さんは「あど帰る!いつもわりな」と正座しながら言っていたのが記憶にあります。
じいちゃんも、ばあちゃんも、若かったあの時代にまた戻りたいです。
あの雰囲気、文章では書き表すのは難しいけど、本当に心地よかった。