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能代市の老舗酒蔵・喜久水酒造が地元企業の応援で事業再開 /秋田

2025年12月11日 21時16分

去年10月に経営不振で事業を停止した能代市唯一の酒蔵が再開することになりました。背景には地元企業の支援がありました。

創業150年の能代市の酒蔵、喜久水酒造。香り豊かな「花散里」など主に県産の酒米を使用したおよそ10種類の日本酒を造っています。一番の売りは鉄道のトンネル跡を使って貯蔵した日本酒です。全長およそ100メートルのトンネル内は温度が常に11℃に保たれています。光熱費のかからない環境にやさしい貯蔵庫で2年から3年寝かせることで、まろやかな味わいに仕上がります。去年10月、コロナ禍や原料の酒米の価格高騰で赤字決算の苦しい経営状況が続き、事業停止に陥りました。一度は断念した酒造りですが幅広い世代から届いた手紙やファックス。多くの声に支えられ再建を決意しました。しかし、一度事業を停止したため従業員はゼロ。そこで立ち上がったのが酒蔵近くにある建設会社です。市内の老舗が次々に店を畳む状況をなんとかしたいと考えていました。金銭面の支援や建設会社ならではの他の会社とのネットワークを生かし、販売網を広げています。さらに喜久水酒造を愛する地域住民も集まりました。酒造りの経験はありませんが、正式な従業員が集まるまで力になろうと働いています。喜久水酒造では年明けにも本格的に酒造りを始め来年の春から販売を再開します。今後は県内だけでなく海外にも展開し、日本酒の魅力を広く発信する予定です。