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戦後80年「花岡事件」慰霊式 犠牲者の冥福を祈る 「過去を忘れず過ちを繰り返さず平和に向けて努力」

2025年06月30日 19時26分

80年前の太平洋戦争末期に、強制連行された多くの中国人が犠牲になった「花岡事件」の慰霊式が秋田・大館市で30日行われました。

慰霊式には、中国から訪れた遺族や生存者の家族のほか、大館市の関係者などおよそ220人が参列しました。
80年前の1945年6月30日に起きた「花岡事件」は、いまの大館市花岡町に強制連行された中国人労働者が過酷な労働環境に耐えかねて一斉に蜂起しましたが鎮圧された事件です。慰霊碑には、鎮圧や過酷な労働などで亡くなった429人がまつられています。

【大館市・石田健佑市長】
「過去の辛い境遇に思いをはせ、二度と過ちを繰り返してはならないと改めて心に強く誓うものであります。」

慰霊式では「過去を忘れずに過ちを繰り返さず日中子孫の友好のため世界平和に向けて努力する」と遺族などが追悼文を読み上げ、参列した人たちは花を手向けて犠牲者の冥福を祈りました。遺族らは慰霊碑に刻まれた家族の名前を見つけると、布で磨いてこみ上げる思いを伝えました。

【遺族代表・張恩龍さん】
「私たちの活動は決して恨みを継承しようという意味ではありません。私たちはこのことを通じて日本と中国の友好がさらに深まること、それを心から願っているんです」

戦後80年を迎える中、大館市は事件が風化しないよう悲惨な歴史を後世に語り継いでいく考えです。