イメージを番組にする、ということ(AP伊藤れ)

2001年05月25日

想像妊娠かと思ってたら、出てきちゃったよー!けっこう、苦しかったねぇ。そんな感じのスタートだった。

冬。営業担当が企画書を持ってやって来た。
曰く、「本当に作りたい番組を作ってみたいと思わないか?」
「いいですね、作りたいですね。」軽~く相づちを打った私。
甘かった・・・。

最小限のスタッフを揃えての打ち合わせは、収録日前夜。
自分たちの中にあるイメージ(しかも、各々の“ソレ”が異なる)を、ひとつの番組として具体化することの難しさにようやく気付く。じっと手を見ても、そこには何のノウハウも無い。
出演者をして、「点も線もねってごどだすな」と言わしめたのも、無理からぬ状態だったのである。

Myバケツを手に臨んだロケ。これが思いのほか快調だったのも、実は、マズかった。
番組の話を持ちかけてきた営業担当は、この時点で、既に、
世界のKUROSAWA(以下、A・K)と化していた。彼の頭の中には、莫大な制作費をかけた映画の様々なカットが浮かんでいたに違いない。
そのイメージは遙か彼方まで広がり、番組のオープニングを撮影する頃には、「そこの電柱をどけろー!」と、怒りだした。仕舞いには、やれ「スタートスペシャルで45分番組にしろ!」だの、「6月1日に急遽第2回目を編成しろ!」だの、「それが無理なら、俺のフィルムを縦に切れ!」だのと言いたい放題。

結局、各方面に泣きを入れて、5分あったCMの30秒を本編に戻してもらいました(放送日の2日前に…)。
出先から電話してきた営業担当は、「A・Kご満悦。」と一言。
ということで、次回からは本編が30秒短くなります。っていうか、それが本来の姿なんですよ。

いずれにせよ「ぷぁ金」は、私たちが真剣に制作に取り組んだ番組です。多くの方々に、直接的・間接的なご迷惑をお掛けしながら、イメージを形にすることができました。次回以降は、反省すべき点は素直に反省しつつ、さらにイメージを膨らませつつ、30秒返せと言われないような、スタッフであることが誇りとなるような番組に育てていきたいと考えています。

p.s.今回お見せすることができなかった部分は、いつの日にか「ぷぁ金 ザッコ捕り完全版」として皆様にお届けしたいと目論んでいます。