放送番組審議会

第308回「トレタテ!報道スペシャル 洋上風力の挑戦者たち~秋田発エネルギー革命~」

2023年05月09日

放送番組審議会 2023年5月9日(火)開催

第308回「トレタテ!報道スペシャル 洋上風力の挑戦者たち~秋田発エネルギー革命~」

2023年5月9日(火)に開かれた当社番組審議会の内容をお知らせします。
今回は「トレタテ!報道スペシャル 洋上風力の挑戦者たち~秋田発エネルギー革命~」を課題に審議委員からご意見をいただきました。委員から寄せられた発言のうち、主なものは次の通りです。

  • 街頭インタビューの模様から、洋上風力に関する県民の理解度や興味関心度がまだ低いことが浮き彫りになり、視聴者が抱く疑問に答える形で番組が進行するわかりやすい構成だった。
  • 洋上風力は、秋田が先陣を切っていることや、大型プロジェクトの中で地元が利益を享受するための動きなど興味深く見た。地元のプライドを見せたいという企業、部品生産などに意欲的に取り組む企業の姿勢に共感し、期待値が高まり、県民として応援したいという気持ちになった。
  • 風車の大きさや建設の様子が分かる迫力ある映像、タイトルの文字、重厚なトーンのナレーションとBGM、すべてが番組のテイストにマッチしており、引き込まれた。テレビ朝日の山口豊アナウンサーの解説も非常に分かりやすかった。
  • 漁業や海洋環境への影響、風車の耐久性・安全性などの懸念材料について、専門家の話をいれるなど深掘りがあれば良かった。また、風力発電をめぐっては各地で反対運動も起きていると聞く。住民はどう考えているのか、住民運動に光をあてた番組も見てみたい。
  • 電力消費量や発電量など数字の説明が分かりづらかった。視聴者が全体像を俯瞰できるような図などがあれば良かったと思う。

これらに対し、制作側からは以下のような発言がなされました。

  • 秋田の洋上風力プロジェクトを紹介する番組の第一歩として、「そもそも洋上風力とは」「秋田の地域活性化」の2本を柱にした。夕方ニュースで断片的に扱ってきたものを入門編としてまとめるという目的は果たせたかと思う。
  • 発電量はフル稼働時や無風時の平均で容量を算出するが、詳しく説明しようとすると情報量が多くなってしまい、視聴者に飽きられるのではという悩ましさがあったので、「何万世帯分」という結論のみ伝えた。工夫の余地はあったと考える。
  • ニュース取材を再編集し追加取材もしたが、漁業関係者への再取材は日程的にできなかった。漁業や海洋環境への影響はいまだ未知数であり、そうした疑問や不安に応える報道を続けていきたいと考えている。
  • 日本の洋上風力は始まったばかりで進行中のプロジェクト。今後も様々な角度から取材を続け、検証も含めて分かりやすく伝えていきたい。

今回いただいた意見は、今後の番組作りにいかしていきたい。

次回は6月6日(火)「トレタテ!」をご審議いただくこととしました。