放送番組審議会

第291回「テレメンタリー2021『舞台に立ちたい―コロナ禍で迎えた劇団70年―』」

2021年09月07日

放送番組審議会 2021年9月7日(火)開催

第291回「テレメンタリー2021『舞台に立ちたい―コロナ禍で迎えた劇団70年―』」

2021年9月7日(火)に開かれた当社番組審議会の内容をお知らせします。
今回は、「テレメンタリー2021『舞台に立ちたい―コロナ禍で迎えた劇団70年―』」(2021年8月4日(水)25:50~26:20放送、8月14日(土)15:30~16:00再放送)について、審議委員からご意見、ご提案をいただきました。

委員から寄せられた発言のうち、主なものは次の通りです。

  • コロナ禍で“もがく思い”が詰め込まれた30分。誰かが何十年か後に見ても共感できるような内容だと思う。丁寧な取材、チャンスを逃さない映像、練られたインタビュー、構成も良く、見ごたえあるドキュメンタリーに仕上がっている。
  • 本番前の亜美さんのメイクシーンで、役になり切っていく、変身していく様子からわくわく感と緊張感が伝わってきた。出演者とディレクターの間に信頼感がなければ撮影できない場面だと感じた。
  • わらび座を題材にした前回作品「輝石の詩 山は焼けてもわらびは死なぬ」と重複する部分もあったが、全国放送にあたっての説明として、必然性が感じられたので気にならなかった。切り口を変え、佐々木亜美さんという一人の役者の内面に迫りながら、コロナ禍での劇団の苦境を深掘りできていた。
  • コロナ禍のわらび座を夕方ニュース「トレタテ!」で扱い、「輝石の詩」で全体像を紹介し、「テレメンタリー」につなげた。一連の流れに一貫した局の姿勢が感じられる。
  • 演じるウエテマツの強さに亜美さん本人がギャップを感じ、悩んでいるというシーンがあったが、どういうギャップなのか分からなかった。
  • 函館公演が開催されてストーリーが完結したが、意外にあっさりとした終わり方で、それまでがボリューミーだっただけにシンプルに感じた。舞台で演技中の亜美さんの表情のアップや、観客やほかの団員のインタビューなどがあれば良かった。

これに対し、秋田朝日放送側からは以下のような説明がなされた。

  • 「輝石の詩」とは視点を変え、一人に密着するにあたり、目の力の強さが非常に印象的だったので佐々木亜美さんに注目した。役作りに「何かが違うが何がちがうかわからない」と悩み、その状態で舞台に臨んだ姿をそのまま伝えたが、分かりづらかったかもしれない。
  • 内面的なところに踏み込んでいかなければならないと思い、取材以外でもこまめに連絡をとってコミュニケーションを図った。
  • コロナ禍で取材制限もあった。函館は現地カメラマンを使ったが、舞台に近づくことが許されたのはAABのディレクターのみで、ディレクターがカメラを回しながらインタビューした。結果として、近い関係のディレクターが撮影したことで引き出せた表情があったと思う。今回できるギリギリのロケだった。
  • 今また番組にすると違うものになると思う。あのタイミングで、まずは、ほっとする終わり方ができたと思っている。
今回いただいたご意見は今後の番組づくりにいかしていきたい。

次回は10月12日(火)、「美味!伝統!あきた自慢テレビ」をご審議いただくこととしました。