放送番組審議会

第286回「ほっとネットとうほく トラクターコレクター」

2021年03月02日

放送番組審議会 2021年3月2日(火)開催

第286回「ほっとネットとうほく トラクターコレクター」

2021年3月2日(火)に開かれた当社番組審議会の内容をお知らせします。
今回は「ほっとネットとうほく トラクターコレクター」について、審議委員からご意見、ご提案をいただきました。

委員から寄せられた発言のうち、主なものは次の通りです。

  • 古いトラクターの収集、修復を“趣味”とする佐藤幸生さんのドキュメンタリーだが、再生事例を追いかけながら物語を引き出すことに成功している。トラクターという、意表を突く材料を中心にしたストーリー展開がシナリオのあるドラマのようだった。秀作である。
  • トラクターを単なる消費するモノとは捉えない、佐藤さんのトラクターへの思いやこだわりが込められている。鉄クズ同然だったトラクターの修復プロセスが丁寧に描かれ、命が吹き込まれていくようだった。きれいになって動くようになったトラクターに対面した時のはやる気持ちが画面から伝わってきた。
  • 工夫されたカメラアングル、ダイナミックな映像と穏やかで美しい映像のバランス、適度なBGM、落ち着いたトーンのナレーション(ナレーター:和気徹児)が番組構成にマッチしていた。登場人物のコメントの配置も絶妙。応援したくなったり、感動したり、思わず涙してしまう場面もあった。
  • 修復を手伝っている整備士の方や、ご家族の女性目線でのコメントがあればなお良かったと思う。
  • 季節感を出そうとしたのだろうが、佐藤さんが山菜のミズを採るシーンは不要だったのではないか。話が分断されたような印象を受けた。

これに対し、秋田朝日放送側からは以下のような説明がなされた。

  • 修復の進行に沿いながら完了するまでを追いかけた。エンジンの修理が思うように捗らず、当初予定よりロケは長期に及んだが、足しげく通って制作した。
  • コロナ禍の中で苦労した取材だったが、修復したトラクターを元の持ち主に持っていったとき「トラクターも一回は帰って来たかったと思う。ここで稼いでいたんだから」という思いあふれたコメントが自然に引き出された。
  • 佐藤さんが暮らしているのは自然豊かな所、というのを表現したくてミズのシーンを入れたが、扱い方を工夫すれば違和感がなかったかもしれない。
今回頂いたご意見は今後の番組作りにいかしていきたい。

次回は4月7日(水)開催。「シリーズ輝石の詩File15 山は焼けてもわらびは死なぬ」をご審議いただくこととしました。