放送番組審議会

第216回「昭和の風景を歩く~とある雑誌編集者の取材日記~」

2014年03月04日

放送番組審議会 2014年3月4日(火)開催

第216回「昭和の風景を歩く~とある雑誌編集者の取材日記~」

2014年3月4日(火)に開かれた当社の放送番組審議会の審議内容をお知らせします。
今回は、「昭和の風景を歩く~とある雑誌編集者の取材日記~(2014年2月22日(土)15:00~15:55放送)」について、審議会委員からご意見ご提案をいただきました。

委員から寄せられた発言のうち、主なものは次の通りです。

  • 平成生まれの女性雑誌記者の視点で、昭和の時代を描き出すという設定・構成は、新鮮でとてもすばらしかった。また、一人称目線のカメラワークも効果的だった。
  • 年配の人にとっては、生きてきた時代の一部がそのまま映し出されており、懐かしさとともに、見ていて実に楽しかった。
  • 出演者の「写真は時間が経つにつれて価値が出てくる」「写真が繋ぐ記憶の糸」「物は立体的に過去を語る」などの言葉が胸に響いてきて、とても良かった。
  • テレビの普及率が低かった当時の農村の生活水準について、東京オリンピックの実況中継を、テレビ映像ではなく、ラジオ音声と新聞記事のみで伝えるなど、上手に表現していた。
  • 番組タイトルと内容があまり合っていないように感じた。また、当時の様子を知っている世代には興味深い内容だったとは思うが、若い世代にとっては、番組が何を伝えたいのか理解しにくかった。
  • ノスタルジーな雰囲気はよく伝わってきたが、地方らしさや個性が失われつつあったこと、都市化や工業化による公害問題のことなど、当時の負の側面も伝えるべきだった。
  • ほぼ秋田市のみにスポットが当てられていたが、秋田市以外の地域について、もっと幅広く取り上げるべきだった。
  • “肉鍋”について、ソウルフードと紹介していたが、言葉の使い方として相応しくないのではと感じた。

これに対し、秋田朝日放送側からは以下のような説明がなされた。

  • この企画は、当時を知る世代に向けたメッセージではなく、この番組をきっかけとして親子で語ってもらうなど、世代間の交流に繋げて欲しいという狙いだった。
  • 番組は、ドキュメンタリーではなく、事実をベースにした「物語」という設定で、エンターテインメント性を重視したかったので、当時のネガティブな側面については、あえて触れなかった。
  • 当時の秋田市以外の農村の様子などについては、この番組の中では伝えきれないと考え、東北の中の典型的な地方都市だった秋田市にあえて絞って紹介した。
次回(4月)は、「あきたふるさと手作りCM大賞2013(2013年12月7日(土)放送)」
について審議いただきます。