放送番組審議会

第199回「テレメンタリー2012 夫の手は捕まれていた」

2012年06月05日

放送番組審議会 2012年6月5日(火)開催

第199回「テレメンタリー2012 夫の手は捕まれていた」

2012年6月5日(火)に開かれた当社の放送番組審議会の審議内容をお知らせします。
今回は、「テレメンタリー2012 夫の手は捕まれていた」について、審議会委員からご意見ご提案をいただきました。

委員から寄せられた発言のうち、主なものは次の通りです。

  • 難しい課題に取り組んでおり、報道機関としてのチェック機能を果たしている番組だった。今後も取材を続けて、再度、検証番組を放送してほしい。
  • ご遺族の無念さや恐怖の大きさがよく伝わってきた。
  • ナレーションが非常に的確で、状況を把握しやすかった。
  • この事件の全容や問題点について、実はよく理解していなかったことが分かった。
  • 刑事訴訟における被害者参加制度の欠点が浮き彫りになるなど、法律や裁判とは何なのか、大変大事なテーマを投げかけていた。
  • 視聴者にとって多くのことを考えさせる事柄が盛り込まれているが、それを追うのに終始している印象が残った。警察やご遺族の主張を踏まえ、もっと問題点を分かりやすく整理してほしかった。
  • 津谷弁護士の殺害状況について、奥様が最後まで見ておらず、また現場に踏み込んだ警察官の全行動の解明もなかったため、もっとも重要な部分が分からないもどかしさを感じた。
  • ご遺族の無念が、何をもって多少晴れるのかが分からず、やりきれない思いがした。

これに対し、秋田朝日放送側からは以下のような説明がなされた。

  • 昨年、被告が起訴され裁判が進むなかで、この事件を一度総括する必要があると思った。また、警察官が面前の殺人を防げなかった、特異な事件を風化させてはならないと考え、制作にあたった。
  • この事件について、警察から新しい情報が取りきれなかった点はある。また制作者自身としての検証も盛り込むべきだった。
  • ご遺族に寄り添って話を聞き、現在の心境や警察との大きな距離感を伝えたかったが、被告、警察、裁判制度など多くの問題点について説明を入れたことで、焦点がぼやけてしまったのは反省材料としたい。