vol.94 前立腺がん検診の現状

2012年02月05日

前立腺がんはPSA検査によって早期発見が可能だ。それでは、日本の検診受診の現状はどうなっているのだろうか?詳しいお話を、秋田県医師会の立木裕先生に伺った。
日本のPSA検査の普及率はとても低く、臨床的に重要ながんが進行するまで見逃されている。特に住民健診でPSA検査を行なっている率が5%以下の市町村では、発見される前立腺がんの30%が主に骨への転移を伴っている。
秋田県では平成13年度から旧23町村で前立腺がん検診を開始している。平成21年度には、合併後の23市町村で前立腺がん検診を行なっている。
29,550人が前立腺がん検診を受診し、一次検診でPSA異常値が見つかった割合は6%。最終的に前立腺精検で139人に前立腺がんが見つかっている。そのうち92%は早期がんだったと報告されている。
秋田県の前立腺がん検診受診率は13.1%と、まだまだ低いのが現状。50歳を過ぎたら、年に一度は前立腺がん検診を受けて欲しい。そしてPSA検査の異常値が出た場合には、精密検査を受けるようにして欲しい。