vol.93 前立腺がん治療について

2012年01月29日

採血によるPSA検査で早期発見が可能な前立腺がん。早期発見すれば、治療の選択肢も増えることになる。詳しいお話を、秋田県医師会の立木裕先生に伺った。
前立腺がんの治療方法は、大きく分けて手術療法と手術以外の治療法がある。手術療法には開腹手術と、腹腔鏡による手術がある。開腹手術は前立腺全摘術といい、へその下約15センチを切開し、前立腺と精嚢腺を摘出する。
腹腔鏡下前立腺全摘術は、下腹部に5~12センチの穴を5カ所開け、細長い道具を使って手術を行う。この腹腔鏡下前立腺全摘術は、従来の開腹手術と比べて、術後の回復が早いなどの利点がある。手術以外の治療方法としては、内分泌療法、放射線療法、化学療法がある。
内分泌療法は、ホルモン療法ともいい、注射や内服薬で男性ホルモンの分泌を止めてしまう。これによって前立腺がんを小さくして、進行しないようにする。放射線療法は、体の外から放射線を当てる外照射療法と、前立腺に密封小線源を埋め込む小線源治療がある。前立腺がんの治療をせずに、経過観察するPSA監視療法もある。
自分にあった治療方法を選ぶためにも、早期発見・早期治療が大切だ。