vol.84 タバコと肺がん

2011年11月20日

増加傾向の肺がん。全国で毎年およそ8万人の人が罹患し、死亡数も毎年およそ7万人と、がんの中でワースト1となっている。詳しいお話を、呼吸器外科医の小野貴史先生に伺った。
肺がんは、がんの中で最も死亡率の高い病気。最大の原因はタバコと言われている。タバコを吸う人は吸わない人と比べて肺がんリスクが4倍高くなる。また自分は吸わなくとも周りの人の吸うタバコの煙を吸うことを受動喫煙というが、この受動喫煙も肺がんのリスクになり、約1.5倍リスクが高くなると言われている。
タバコは肺がんの原因となるだけでなく、直接肺そのものにダメージを与えている。タバコによって肺そのものが傷んで悪くなってしまい、呼吸の機能がどんどん落ちてしまう。
タバコを止めたい人向けに作られた専門外来として、禁煙外来がある。現在、多くの医療機関で行われている。治療方法は、カウンセリングに加え、ニコチンに代わる貼り薬や飲み薬で禁煙を支援する。
タバコを止めた場合、5年間禁煙すると肺がんリスクは約40%低下し、さらに20年続けて禁煙した場合、肺がんリスクはタバコを吸っていない人と同等になる。肺がんの最大の原因はタバコなので、タバコを吸う人吸わない人、共に検診による早期発見が非常に大切だ。