vol.74 前立腺がん検診の現状

2011年09月11日

前立腺がんの早期発見に有効なPSA検査。それでは、日本の検診受診の現状はどうなっているのだろうか?詳しいお話を、秋田県医師会の立木裕先生にお話を伺った。
日本でのPSA検診の普及率はとても低く、前立腺がんは進行するまで見逃されている。特に住民検診の未実施市町村や、PSA検査の受診率が5%以下の市町村では、発見される前立腺がんの30%が主に骨への転移を伴っている。
死亡率も増加しており、2020年には肺がんに次いで第2位になる(男性の部位別死亡率)と予想されている。秋田県では平成13年度(2001年度)から前立腺がん検診を始めており、平成21年度(2009年度)では23市町村で実施されている。
平成21年度の秋田県前立腺研究会によると、2万9550人が前立腺がん検診を受診し、一次検査でPSA異常値が見つかった割合は6%。最終的な精密検査で139人の前立腺がんが見つかった。そのうち92%は早期がんだったと報告されている。
しかしまだ秋田県の前立腺がん受診率は13.1%と低いのが現状。50歳以上の方は、採血で簡単にできるPSA検査を毎年一回は受けてほしい。