Vol. 617回「肺がん検診について」

2022年11月20日

喫煙により罹患リスクが高まる肺がん。
詳しいお話を呼吸器外科医の出村遼先生に伺った。
肺がんは早期だとほぼ無症状だ。進行とともにせき、痰、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛などの呼吸器症状が現われることがある。しかしこれらは必ずしも肺がん特有の症状ではないため他の疾患との区別が尽かないこともある。
複数の症状がみられたり長引いたりなど気になった際には早めに医療機関を受診することが重要だ。
肺がんの検診方法として効果があるとされているのは問診、胸部X線検査、喀痰細胞診だ。問診でハイリスク群とそうでない群で分けて検査していく。50歳以上で1日の本数×喫煙年数 喫煙指数が600以上の人はハイリスク群として問診と胸部X線検査だけでなく喀痰細胞診も追加して検査する。
この喫煙指数は現在喫煙している人だけでなく過去に喫煙していた人も対象だ。また、検診の間隔は年1回だが気になる症状がある場合には検診を待たずに医療機関を早期に受診しよう。
早期であればあるほど5年生存率が高く手術のみで根治を目指すことも可能となるため元気で長生きできる可能性が高くなる。
その分医療費がかからないといったメリットもあるため定期的な検診受診が重要だ。