Vol. 584回「胃がんとは」

2022年04月03日

罹患数が2番目に多い胃がん。
詳しいお話を秋田県医師会の小泉重仁先生に伺った。
胃がんとは胃の粘膜に発生する悪性腫瘍でがんの浸潤が粘膜下層までにとどまる早期がんと粘膜下層を超える進行がんに分けられる。
胃がん発生の危険因子として1番はヘリコバクター・ピロリ菌感染があげられる。ピロリ菌は胃粘膜に感染・生息する細菌だ。ピロリ菌に感染すると長い年月をかけて段々胃炎が進行し慢性萎縮性胃炎となり胃がん発生リスクが高まる。
ピロリ菌の除菌は胃酸を抑える薬と抗生物質2種類の合わせて3剤を1週間飲み続ける。この方法で約8割は成功するが失敗した場合は薬を変えて2次除菌を行うことができる。ピロリ菌の除菌により胃炎の進展が抑制され引いては胃がんの発生リスクが低下する。
ある程度、萎縮性胃炎が進展してしまったご高齢の方では除菌をしても胃がんのリスクを低下させるのは難しい。しかし炎症の軽い若い方では除菌による胃炎の進行、胃がん発症のリスクを低下できるためピロリ菌除去のメリットは大きいと考えられる。
早期に見つけるため症状がなくても定期的に検診を受診しよう。