Vol. 569回「肺がん検診について」

2021年11月21日

喫煙により罹患リスクが高まるといわれる肺がん。
詳しいお話を呼吸器外科医の原田柚子先生に伺った。
肺は人が呼吸するための臓器で右と左に分かれている。喫煙など何らかの原因で気管支や肺胞の細胞のDNAに損傷が生じ細胞ががん化するのが肺がんだ。
肺がんは早期ではほぼ無症状だが進行とともにせき、痰、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛などの呼吸器障害が現れることがある。しかしこれらは必ずしも特有の症状ではないため他の疾患と区別がつかないことがある。複数の症状が見られたり長引くなど気になったら早めに医療機関を受診しよう。
肺がん検診では問診、胸部レントゲン検査、喀痰細胞診を行う。
50歳以上で喫煙指数(1日の本数×喫煙年数)が600以上の人がハイリスク軍とされる。ハイリスク軍の人は問診、胸部レントゲン検査だけでなく喀痰細胞診も追加して検査する。
喀痰細胞診とは痰を採取しがん細胞の有無を検査する検査だ。
検診を受けずに自覚症状で進行がんとして見つかった肺がんの治療は体にかかる負担はもちろん治療に時間がかかってしまったり肺がんの治療自体が困難になることも多くある。
早期発見・早期治療で長生きできる可能性が高くなるため定期的な検診受診が大切だ。