2021年11月14日
がんの中で最も死亡数が多い肺がん。
詳しいお話を呼吸器外科医の原田柚子先生に伺った。
肺は人が呼吸するための臓器で右と左に分かれている。肺の中で気管支は木の枝のように広がりさらにその先には肺胞が存在する。喫煙など何らかの原因で気管支や肺胞の細胞のDNAに損傷が生じ細胞ががん化するのが肺がんだ。
肺がんの罹患率は40代後半から増加し高齢になるほど高くなる。2018年の罹患率は男性では4位、女性では3位となっていて2019年の肺がん死亡者数は男性は5万3,000人を超え全男死亡数の中で1位、女性は大腸がんに次いで2万2,000人を超えて2位だ。
肺がんは喫煙との関連が大きい。タバコを吸わない人に比べて吸う人が肺がんになるリスクは男性で4.4倍、女性で2.8倍と高くなる。禁煙後10年経過しても非喫煙者の2倍程度の肺がん死亡リスクがあるとされ15年以上の禁煙で非喫煙者と同レベルまで低下するという報告がある。
早期肺がんでは自覚症状がほぼなくステージ1期の患者さんの半数が検診で発見されていることから検診がいかに重要かが分かる。喫煙とは関係ない肺がんも増えているためタバコを吸う人も吸わない人も毎年の検診を受診しよう。