Vol. 556回「前立腺がんとは」

2021年08月22日

男性特有のがんで増加傾向にある前立腺がん
詳しいお話を秋田県医師会の市川晋一先生に伺った。
前立腺は男性特有の臓器で膀胱の出口、尿道を取り囲むクルミのような形と大きさをしている。そこにできる悪性腫瘍が前立腺がんだ。はじめは前立腺の中に留まっているが進行すると骨やリンパ節に転移し命にかかわる。しかし、進行が遅く早期に発見し早期治療をすれば死亡することは少ない。
前立腺がんは高齢になるほどかかる可能性が高くなる。
2大危険因子は年齢と男性ホルモンだ。また、遺伝子因子があり前立腺がんの多発系家系も明らかにされている。
環境因子としては高脂肪食、特に動物性脂肪の脂質と関係がある。その他、肥満や糖尿病、メタボリックシンドロームがある。
症状が出てから医療機関を受診したときはすでに進行がんのことが多いので症状がなくても検診を受診しよう。
1次検診では採血をしPSAを検査する。PSA(前立腺特異抗原)とは前立腺の中にあるタンパク質でがんに罹患すると血液内に放出されるため値が高くなり一つの目安となる。
PSAを基盤とした前立腺がん検診で早期発見が可能になった。
早期発見で根治の可能性が高くなるため検診を受けて早期発見に努めよう。