Vol. 554回「乳がんの症状と治療法」

2021年08月08日

女性のがん部位別罹患数トップの乳がん。
詳しいお話を乳腺内分泌外科医の森下葵先生に伺った。
乳がんの最も多い症状は乳房のしこりだ。しかし全てのしこりが乳がんではなく良性の場合もある。
その他の症状は皮膚の赤身、くぼみ、引きつれ、乳頭の赤み、ただれで乳頭からの色のついた分泌物がでることもある。
痛みを伴うことが少ないため普段から自分の乳房を気にかけしこり、くぼみなどいつもと違うところがないか確認することが重要だ。
初期治療には局所療法と全身療法がある。局所療法は手術と放射線治療、全身療法は抗がん剤治療と内分泌療法などだ。
これらを患者さんの状態に応じて組み合わせて治療し根治を目指す。
一方、転移・再発の治療ではがんの根治を目指すのではなくがんの進行を抑えたり症状を和らげたりする生活の質を保ちながらがんと共存するための治療を行う。
早期発見、早期治療により乳房を温存した手術を選択でき全身療法を必要とせず局所療法だけで根治できる可能性もある。
また何より乳がんによって命を落とす可能性が低くなる。
早期発見で治癒率が高まるため定期的な検診がとても重要だ。