2021年07月04日
新しい生命が宿る女性の大切な器官「子宮」。
子宮の入口に発症する子宮頸がんについて、詳しいお話を産婦人科医の佐藤敏治先生に伺った。
日本では年間約1万人が浸潤子宮頸がんに罹患し、約3千人の女性が亡くなっている。その中で50歳未満の若年女性の罹患率・死亡率が上昇傾向にある。20歳代後半から上昇し30歳代でピークを迎えることから比較的若い女性でも検診が必要だ。
前がん病変、初期がんの多くは無症状で、肉眼で見える大きさに発育すると不正性器出血、性交後の出血をみとめるようになる。
通常痛みは伴わないが進行がんになると神経や尿管を圧迫し骨盤の痛み、要背部痛、下肢のむくみなどが現れる。
症状が出現した子宮頸がんはすでに進行しており完治が望めないことも多く無症状である前がん病変や初期浸潤がんで見つけることが重要だ。そのために唯一の方法である定期的な検診を受診しよう。
子宮頸がんは性交渉によるHPV感染が原因だ。感染後、数年から十数年を経て子宮頸がんになる可能性あるため、過去に性交渉の経験があるすべての女性が検診を受診する必要がある。