2021年06月27日
若い女性の間で増加傾向にある子宮頸がん。
詳しいお話を産婦人科医の佐藤敏治先生に伺った。
子宮頸がんとは子宮の出入り口である子宮口周辺の子宮膣部と言われる部分に発生する悪性腫瘍のことで、
原因は性交渉などによるHPV(ヒトパピローマウイルス)の子宮膣部への局所感染だ。
HPVはもともと皮膚に発生する良性腫瘍であるイボの原因ウイルスとして発見された。ウイルスは100種類以上の遺伝子型が存在し皮膚に感染しイボを形成する皮膚型と粘膜に感染する粘膜型に分類される。
HPVは子宮頸がんの原因だが約8割の女性が一生に一度は感染するといわれている。HPVに感染しても約9割の方が数年後に自然治癒するが、残りの1割の方は喫煙や遺伝的要因で持続感染となり数年の前がん病変を経て子宮頸がんになることが分かっている。
厚生労働省の報告によるとがんの部位別発見経緯は子宮頸がんはがん検診で発見される割合が36%と最多であり、すべてのがんの中で最も検診が有用であると言える。
検診を定期的に受診し前がん病変や初期がんの状態で早期発見することが重要だ。