Vol. 530回「乳がんの症状と治療法」

2021年02月07日

女性の部位別がん罹患数トップの乳がんについて乳腺内分泌外科医の工藤千晶先生に伺った。
乳がんで最も多い症状は乳房のしこりだ。しかし全てのしこりが乳がんではなく良性の場合もある。
その他の症状としては、皮膚の赤み・くぼみ・引きつれ、乳頭の赤み・ただれ、乳頭から色のついた分泌物などがでることもある。
痛みを伴うことが少ないのも特徴の1つだ。
普段から自分の乳房の様子を気にかけ、しこりがや皮膚のくぼみなどいつもと違うところがないかを確認することが重要だ。
初期治療には大きく分けると局所療法と全身療法がある。
局所療法は手術と放射線治療、全身療法は抗がん剤治療・分子標的薬治療とホルモン療法だ。これらの治療を患者さん1人1人の状態を見ながら組み合わせて治療し根治を目指す。
一方、転移再発の治療ではがんの根治を目指すのではなくがんの進行を抑えたり、症状を和らげたりなど生活の質を保ちながらがんと共存するための治療を行う。
早期発見・早期治療により乳房を温存した手術を選択でき全身療法を必要とせず局所治療のみで根治できる可能性もある。
さらに何より乳がんによって命を落とす可能性が低くなる。
早期発見で治癒率が高まるため定期的に検診を受診しよう。