Vol. 524回「子宮頸がんとは」

2020年12月13日

若い女性に多い子宮頸がんについて
産婦人科医の能登彩先生に伺った。
子宮とは女性の下腹部にある器官で赤ちゃんを育てるのが大切な役割の一つだ。その子宮の出入り口の近くの子宮頸部にできるがんを子宮頸がんという。
子宮頸がんは95%がHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスへの感染が原因といわれている。
ヒトパピローマウイルスは人にのみに感染しイボの原因となるウイルスで性交経験のある多くの女性が感染するといったごくありふれたウイルスである。
子宮頸がんの原因になるタイプはハイリスクHPVといい15種類くらいある。ハイリスクHPVに感染しても約90%は自分の免疫力で自然排泄されるが10%が持続感染し感染した細胞に異常が生ずる。この一部の方が数年から数十年かけて子宮頸がんを発症する。
初期は自覚症状が無いため定期的な検診受診が唯一の発見方法だ。検診ではHPV感染による細胞異常も発見できる。
HPVに感染後発がんまで数十年以上かかるため、定期的に検診を受けることでがんになる前に発見できる。