Vol. 502回「子宮頸がんの治療」

2020年07月12日

若い女性の間で罹患率が高い子宮頸がんについて産婦人科医の佐藤敏治先生に伺った。
子宮頸がん検診とはブラシやヘラなどで子宮の細胞を採取して顕微鏡で細胞を検査する擦過細胞診をさす。検診では採取された細胞の形態を見てがん細胞だけでなく、前がん病変やHPV感染細胞を判別し将来的な子宮がんのリスクを予測したりがんを未然に防ぐことが可能。子宮頸がんの治療は進行期により手術か放射線治療かが選択される。さらに進行した症例では放射線治療は行われるが、最近ではこれに化学療法が併用する場合がある。
子宮と膣の一部・関連するリンパ節を切除する広汎子宮全摘手術は重大な合併症として術後の排尿障害があげられる。しかし最近は神経を温存することで排尿機能を改善する試みが行われている。また、若年で妊娠の希望がある女性には子宮頚部を摘出して子宮体部と膣を縫合する子宮体部を温存する広汎子宮摘出手術が行われる。
開腹手術や放射線治療の長期にわたる合併症、将来の妊娠に備え子宮を温存するにも子宮がん検診を定期的に受信し早期発見することが重要だ。