Vol. 500回「子宮頸がんとは」

2020年06月28日

若い女性の間で増加傾向にある子宮頸がんについて産婦人科医の佐藤敏治先生に伺った。
子宮頸がんとは子宮の出入り口である膣部に発生する悪性腫瘍の
総称。原因は性交渉などによるHPV(ヒトパピローマウイルス)の子宮膣部への局所感染だ。ヒトパピローマウイルスは人間のみ感染する二本鎖DNAウイルスで皮膚に発生する良性腫瘍でイボの原因ウイルスとして発見された。
ウイルスは100種類以上の遺伝子型が存在するがそのうちの15種類が高リスク型と呼ばれ子宮頸がんの95%以上の原因となっている。約8割の女性が一生に一度は感染するといわれる。
しかし、感染しても9割が免疫力で自然治癒でき子宮頸がんにはならない。残りの1割は喫煙や遺伝的要因で持続感染となり数年の前がん病変を経て子宮頸がんになることが分かっている。
初期にはほとんど症状がないため定期的な検診が唯一の早期発見の方法だ。性行為があり40歳未満の人は年に1度、40歳以上の人は2年に1度検診が必要だ。