Vol. 489回「胃がん検診について」

2020年04月12日

ピロリ菌感染が発症原因として多くあげられる胃がん。詳しい話を消化器内科医の石井元先生に伺った。ピロリ菌が胃の粘膜に住み着くと炎症を引き起こし慢性胃炎の状態となり慢性胃炎が進行すると胃がん発症のリスクが高まる。そのためピロリ菌除去が胃がん発症を抑制できることは明らかだ。ピロリ菌の除菌は胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を1日2回1週間続ける内服治療で行われる。ピロリ菌除菌後も胃がん発症のリスクがあるため定期的な検査は必要だ。胃がん検診として主に行われるのは胃X線検査。胃X線検査はバリウムと発泡剤を飲み胃の中の粘膜を観察する検査である。胃X線検査でがんなどが疑われた場合、精密検査として胃内視鏡検査が行われる。胃内視鏡検査は胃の中の小さな病変を見つけることが可能で病変が疑われた場合組織を採取し詳しく調べることもできる。
腹痛など症状が出てからの検査では胃がんが進行してしてしまっていることが多く治療も大変になるため大事に至らないためにも定期的な検診が必要だ。無症状での発見が重要な胃がん。定期検診で早期発見、早期治療に努めよう。