Vol. 435回「前立腺がん検診について」

2019年02月17日

50歳代から急激に増加する前立腺がんについて、秋田県医師会の市川晋一先生に伺った。
初期の前立腺がんは、ほとんど無症状である。進行するにつれ、頻尿、残尿感、排尿障害といった症状がみられるようになる。症状が出た時にはすでに進行がんとなっている可能性がある。無症状のうちに検診を受診しよう。
前立腺がん検診は採血によるPSA検査を行う。PSAは前立腺の細胞で作られるタンパク質で、前立腺がんに罹患すると血液中に流れ込みやすくなり、値が高くなる。しかし、前立腺肥大症や前立腺炎で上昇する事もあるため、必ずしも前立腺がんであるとは限らない。
1次検診で異常が指摘されたら必ず2次検診を受診しよう。秋田県では2次検診の受診率の低さが問題となっている。2次検診では、採血によるPSA検査を再度行う他、前立腺の形・固さなどを触診する直腸診、超音波を画像に写し状態を検査する超音波検査を行う。この3つの検査を総合的に判断し、さらにがんが疑われる場合は3次検診を行う。
前立腺がんは進行が遅いため、早期発見・早期治療が可能である。50歳を過ぎたら定期的に検診を受診しよう。