Vol. 432回「乳がんの症状と治療法」

2019年01月27日

乳がんの治療法について、乳腺内分泌外科医の伊保内綾乃先生に伺った。
乳がんの症状として最も多いのがしこりだ。ただ、しこりがあるからといって全てが乳がんというわけではなく、乳腺症や良性の腫瘤の場合もある。しこりの他、皮膚のあかみ、くぼみ、ひきつれ、乳頭の赤み、ただれ、乳頭からの赤、茶、黒などの分泌物などもある。痛みを伴うことが少ないのも特徴の1つだ。
乳がんの初期治療は大きく分けて、局所療法と全身療法に分けられる。局所療法は手術と放射線治療、全身治療は抗がん剤治療、分子標的治療、ホルモン療法で、これらの治療を患者の症状によって組み合わせ、根治を目指す。一方、転移再発の治療では、がんの根治を目指すのではなく、がんの進行を抑えたり、症状を和らげたりと、生活の質を保ちながら延命を目指す。
早期発見・早期治療により、手術で乳房を温存することができ、全身療法を必要とせずに局所療法のみで根治できる可能性が高まる。乳がんで命を落とす事のないよう、定期的に検診を受診しよう。