Vol. 430回「知りたい!乳がん検診」

2019年01月13日

女性に最も多いがん「乳がん」について、乳腺内分泌外科医の伊保内綾乃先生に伺った。
乳房は、乳腺とそれらを支える脂肪などから構成される。乳腺は、母乳をつくる小葉と、母乳を運ぶ乳管から構成される。乳がんは、この小葉や乳管の細胞から発生する。多くは乳管から発生し、乳管がんと呼ばれる。小葉から発生するものは小葉がんと呼ばれる。危険因子は、閉経後の肥満、アルコール、喫煙、出産・授乳が未経験、乳がんの家族歴などが挙げられる。
乳がんは、女性がかかるがんの中で最も多く、近年増加傾向にある。2015年の罹患数は約9万人だ。一生涯のうちに乳がんに罹る女性は、数年前までは20人に1人と言われていたが、最近では11人に1人ともいわれる。乳がんに罹る率は各年代で増加していて、この20年で約2倍に増えている。
乳がんは早期に発見に適切に治療すれば9割以上のケースで治癒が期待できる。乳房のしこりそのもので命を落とすよりも、他の臓器に転移する事により命が脅かされる。遠くの臓器に転移すると根治を目指す事が難しいため、早期発見・早期治療を心がけたい。