Vol. 428回「子宮頸がんの治療」

2018年12月23日

若い世代の女性に発症が多くみられる子宮頸がんの治療法について、産婦人科医の佐藤敏治先生に伺った。
子宮頸がんは初期の段階ではほとんど症状がないが、進行すると不正性器出血やおりものの異変がみられる。痛みを伴う事は少ないが、さらに進行すると骨盤部の痛み、排尿障害が現れる。
治療法は手術療法と放射線治療の大きく2つにわかれる。手術療法には、早期がんに適用される円錐切除術と、子宮と膣の一部・関連するリンパ節を切除する広汎子宮全摘出術がある。さらに進行すると放射線治療が行われ、化学療法を併用する場合もある。広汎子宮全摘出術の後遺症として排尿障害が起こる可能性があるが、近年は神経を温存する事で排尿機能を改善する試みが行われている。まな妊娠の希望がある女性には、広汎性子宮頚部摘出術を用いる事で、子宮を温存し術後の妊娠・出産が可能となる。放射線治療でも半年から数年後、腸管・膀胱の障害が起こる場合もある。これらの合併症を避けるためにも、検診を受診し早期発見する事が大切だ。