2018年03月04日
採血によるPSA検査で早期発見が可能な前立腺がんの治療法について、秋田県医師会の市川晋一先生に伺った。
がんの進行具体により、「待機療法」「手術療法」「放射線療法」「内分泌療法」「化学療法」から治療法を選ぶ。待機療法とは、厳重な経過観察で進行に応じた治療を行う方法である。手術では前立腺全摘出手術が行われ、病変ごと前立腺を切除するためがんの根治を目指せるが、術後に尿漏れや性機能障害といった後遺症が残る可能性がある。内分泌療法は服薬や注射により男性ホルモンの分泌を抑え、がん細胞の増殖を抑制するホルモン療法だが、治療時間が長くなるにつれ次第に効果が薄れてしまうデメリットがある。放射線療法は、放射線を照射し、がん細胞を死滅させる方法である。具体的には、身体の外から患部に放射線を照射する外照射療法と、前立腺の中に放射性物質を埋め込み時間をかけて照射する内照射療法(小線源療法)の2つの方法がある。治療法は、進行具合、健康状態、合併症の有無などを考慮し、患者それぞれに合ったものを選ぶ。早期発見で治療の選択肢も増え、治癒率も高まるため、定期的に検診を受診しよう。