Vol. 372回 大腸がんの治療法

2017年10月29日

早期では自覚症状のない大腸がんについて、秋田県医師会の辻剛俊先生に伺った。
1次検診で要精査の判定が出た場合、出血を伴う病気が腸にあると推測できる。その出血の牽引を調べるため、内視鏡検査を行う必要がある。大腸内視鏡検査は、下剤で腸内をからっぽにし、肛門から内視鏡を挿入して大腸を隅々まで観察する方法だ。大腸がんのほか、大腸ポリープや腸炎などの発見も可能だ。
大腸がんが見つかった場合、基本的に切除する必要がある。早期では内視鏡による治療が可能だが、進行がんでは手術治療、転移がみられる場合は抗がん剤による治療が必要だ。早期の場合に行われる内視鏡治療は、内視鏡により内部から病変部分のみを切除するため、外来や数日間の入院ですみ、体への負担も少ない。外科手術でも病気が広がっていなければ、お腹に数ヵ所小さな穴を開け、腹腔鏡で内部をみながら手術器具を挿入して行う「腹腔鏡手術」が可能で、体への負担を少なくする事が可能だ。早期であればあるほど、体への負担が少なく済むという事だ。
症状が出ると進行がんの場合が多く、十分な治療ができないこともある。検診で要精査の判定がでたら、早めに医療機関を受診しよう。