2017年07月09日
若い女性の間で増加傾向にある「子宮頸がん」の治療法について、秋田県医師会の工藤香里先生に伺った。
子宮頸がんは初期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行するにつれ、不正性器出血やおりものの増加といった症状がみられる。しかし、こういった症状も長く続くとは限らず、受診の機会を逃す可能性もある。症状が出にくいがんともいえるため、早期発見のためには検診の受診が重要だ。
子宮頸がん検診は、子宮の細胞を採取し顕微鏡で検査をする細胞診が行われる。また技術の進歩により、ハイリスク型HPVを特定して検出する事が可能なHPV検査も登場している。
がんの進行度により、治療法は選ばれる。初期であれば、病変部分のみを円錐状に切除する方法がとられ、子宮を残す事ができる。進行すると、子宮全摘出、子宮と膣の一部・関連するリンパ節を切除する広汎子宮全摘出が行われる。さらに進行すると、放射線治療や化学療法が適用される。
子宮頸がんは若い世代の女性に多いため、治療後の妊娠・出産を希望する人も多い。早期発見・早期治療ができれば、妊娠・出産の可能性を残した治療方法を選ぶ事ができる。20歳以上の女性は、子宮頸がんの検診を受診するようにしよう。