2016年10月30日
自覚症状のほとんどない大腸がんの治療法について、秋田県医師会の藤盛修成先生に伺った。
便潜血検査で要精査の判定が出たら、大腸内視鏡検査で精密検査が必要となる。下剤で腸内を空っぽにし、内視鏡で大腸を隅々まで観察するが、大腸がんの他、ポリープ、大腸憩室、痔などが発見される事もある。つまり、1次検診で要精査の判定が出ても、大腸がんである可能性は数%なのだ。2次検診を受診し、きちんとした診断をしてもらう事が大切だ。
内視鏡で早期がんを発見した場合、そのまま内視鏡で切除してしまう事が可能だ。内視鏡での治療が難しい進行がんの場合は、手術が行われる事がある。最近では、お腹に数ヵ所小さな穴を開け、腹腔鏡で内部を見ながら手術器具を挿入して行う「腹腔鏡手術」が行われる事が多いが、体への負担が少なく、入院期間が短く済むメリットがある。手術で切除しきれない場合、再発の可能性がある場合は、化学療法や放射線治療が行われる。
早期がんであれば、体に負担の少ない治療で済む。ぜひ定期的に検診を受診し、早期発見につなげよう。