Vol. 293回 前立腺がんに立ち向かうために

2016年03月13日

年々増加傾向にある前立腺がんについて、秋田県医師会の市川晋一先生に伺った。
2015年、新規前立腺がん罹患者数は9万8400人にのぼり、男性の中では肺がんを抜いて第1位となっている。毎年約1万人の方が前立腺がんによって亡くなり、2015年秋田県では110人が亡くなっている。
秋田県の前立腺がんの検診受診率(平成26年度)は、対象者のわずか12%に留まった。人数にすると3万7000人だが、その中の0.4%、人数にして122人が前立腺がんに罹患しており、さらにそのうち95%が早期の前立腺がんで発見された。しかし、県北の受診者が少ない事、2次検診の受診者が少ない事が問題となっている。
残念ながら、現在は前立腺がんの予防法はない。検診の受診による早期発見・早期治療が決めてとなる。たとえ進行がんで発見されたとしても、適切な治療による長期に渡る良好な生活が可能だ。症状がなくても、50歳を過ぎたら検診を受診し、異常が発見された場合はきちんと2次、3次検診を受診しよう。