vol.187 子宮頸がんとHPV

2013年12月22日

子宮頸がんの発症に関わるHPVは非常に一般的なウィルスで、性交渉の経験があるほとんどの女性が一度は感染しているといわれている。詳しいお話を県医師会の田中秀則先生に伺った。
HPV感染は、ほとんどの場合は一時的な感染で終わる。ごく一部の人が感染が持続する。感染が持続すると前がん病変である軽度異形成になり、その中からさらに中等度異型性になるが、ここからでも戻ることが多い。中等度異形成がさらに高度異型性になって、さらに上皮内がん、そして本当の子宮頸がんになっていく。
子宮がん検診というのは、たとえば胃がんや大腸がんの検診のように食事を抜いていく必要もないし、今日検診を受けようと思えば、近くの医療施設もしくは検診センターで受診できる。抵抗はあるかもしれないが、子宮の入り口をヘラやブラシで擦るだけなので、勇気を出して検診を受けてほしいと思う。
2009年度から20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の方に無料クーポン券が配布されてきた。それで多くの方が子宮頸がんや前がん病変が発見されて非常に有効だったが、2014年度からは20歳だけに限定されてしまう。クーポン券がなくなるのは残念だが、なくなっても絶対に受診して欲しいし、実際にクーポン券で受診した方の子宮頸がんや前がん病変の発見率は高いということも調査でわかっている。特に受けていない方はぜひ受けてほしい。