vol.177 胃がんの危険因子~ピロリ菌

2013年10月13日

秋田県に多い胃がん。その発生には食生活や生活習慣などさまざまな要因があるといわれている。詳しいお話を県医師会の小田島傑先生に伺った。
胃がんの危険因子としては、従来から慢性胃炎が指摘されている。現在では慢性胃炎の多くがヘリコバクターピロリ菌の感染によって起こると考えられている。ヘリコバクターピロリという細菌は、人の胃の中に生息している菌だ。ピロリ菌に感染することにより胃炎が起こり、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ポリープ、胃がんなどの原因になると報告されている。
早期胃がんの内視鏡切除後にピロリ菌の除菌をした場合に、その後の早期がんの発生率が抑制されたという報告がある。ピロリ菌の除菌によりがん発生を防ぐことができる可能性が考えられている。ピロリ菌の除菌は、これまでは胃潰瘍などに限られていたが、今年2月からはピロリ菌感染症に対して除菌療法が保険適用になった。
40歳以上の人であれば、年に一回必ず定期検査として胃がん検診を受けること、検診で精密検査が必要だと判断された場合は、専門医を受診して必ず内視鏡検査を受けること、またピロリ菌感染が確認された場合は、主治医の先生などと相談して除菌療法などを検討する事が必要だ。