vol.176 胃がん治療について

2013年10月06日

早期の胃がんには症状がほとんどなく、検診による早期発見が重要になってくる。一次検診では胃X線検査が行われる。詳しいお話を県医師会の小田島傑先生に伺った。
胃のX線検査で要精査と判断された場合は、内視鏡検査が必要となる。現在、要精査と判定された人で内視鏡検査を受けている人の割合は約60%といわれているが、必ず内視鏡検査を受ける必要がある。
日本消化器がん診断学会によると、検診で発見されるがんの70%が早期がんと報告されている。一方、症状があって受診された場合は進行がんで発見される場合が多い。
胃がんの早期治療としては、内視鏡による治療があげられる。現在、早期がんと診断された場合で、病気が粘膜内にとどまっており、リンパ節転移の危険性が少ないと判断された場合には内視鏡切除が行われる。胃がんの下の粘膜下層に生理食塩水やヒアルロン酸ナトリウムといった薬剤を注入して胃を盛り上げ、がんの周りを電気メスで切開し、粘膜下層を剥離してがんを切除するという内視鏡的粘膜下層剥離術という手術を行う。
内視鏡を使った治療のメリットは、内側からがんを切除するために、身体への負担が少ない、その後の食生活への影響が少ないということがあげられる。なんといっても胃がんの場合は早期発見早期治療に尽きるといえる。