vol.173 前立腺がんに立ち向かうために

2013年09月15日

PSA検査で早期発見が可能な前立腺がん。現在、増加傾向にある。どれぐらいの人が罹患しているのか、詳しいお話を県医師会の市川晋一先生に伺った。
我が国の男性の10万人あたりの前立腺がんの罹患率は19.9人で、すべてのがんの4番目。将来は男性が罹患するがんの2番目になると予想されている。日本全体の10万人あたりの前立腺がんの死亡率は17.6人で6番目に高く、2000年の前立腺がんの死亡率に対し2020年には推定値で2.8倍になると予想されている。
秋田県では平成13年度から前立腺がんの検診を始めており、今年度から全市町村で実施されている。平成21年の秋田県の前立腺がん研究会によると、2万9,950人が検診を受診し、一次検診でPSAの異常値が見つかった人は6%、最終的に精密検査で前立腺がんと判定された人は139人、0.5%となっている。そのうち92%が早期がんで治療して、良い経過が出ていると報告されている。
前立腺がんを予防する方法は残念ながらない。しかし検診を受けて早期発見・早期治療が前立腺がんの治療の決め手だ。症状がなくとも50歳になったら年に一度は検診を受けて、異常が見つかったら楽観したり、怖がったりしないで必ず二次検診、三次検診を受けてほしい。悔いのない満足できる人生を過ごすためにも。