2013年08月25日
二人に一人はがんになるといわれる現代の日本。その中で男性が気をつけなければならないがんの一つが前立腺がんだ。詳しいお話を秋田県医師会の市川晋一先生に伺った。
前立腺は男性だけにある器官で、膀胱の出口に尿道を取り囲むように、栗の実のような形をしたものだ。前立腺がんはここに発生する悪性の腫瘍だ。一般的にはがんは歳を取ると増加する病気だが、とりわけ前立腺がんは年齢と関係が深く歳をとればとるほど前立腺がんになる可能性が高くなる。日本は急速に高齢化が進んでいるので、前立腺がんが急増している。
一般的に2大危険因子といわれるものがあって、1つは加齢、もう1つは男性ホルモン。他に遺伝子的な因子が最近明らかになってきた。また環境因子として、高脂肪食、特に動物性の脂肪の摂取と関係があるといわれている。
初期の前立腺がんは何の症状もない。がんがある程度大きくなると、排尿にいろいろな症状が出てくるようになる。例えば頻尿、残尿感、排尿困難、尿閉などの症状が出るが、これは前立腺肥大症、良性の腫瘍だが、その症状と似ている。さらに進行してくると、血尿が出たり、精液に血が混じる症状が出たりする。
初期は症状がないが、前立腺特異抗原(PSA)検査で早期に発見できるようになった。