2013年08月11日
増加傾向の乳がん。マンモグラフィ検診により、早期に発見が可能になる。早期発見のメリットとは。詳しいお話を県医師会の鎌田収一先生に伺った。
自覚症状で発見するよりも乳がんで早い段階で発見できるメリットがある。早く小さいうちに発見できれば、当然だが命は助かる。それだけではなく、小さく発見できれば小さな手術が可能になり、美容的にも有利だ。最近は乳房の部分切除を行う乳房温存療法や、腋の下のリンパ節を一部だけ切除するセンチネルリンパ節生検が主流になってきている。
乳がんは比較的生命予後の良いがんで、進行がんでも治癒する可能性は十分にあるが、場合によっては生命の危険と直面することもある。しかも進行がんは抗がん剤治療などの長期の治療が必要になり、身体的な負担だけでなく、経済的な負担もかなり増える。
乳がんにおける早期がんの定義は、腫瘍の大きさが2センチ以下で、なおかつリンパ節転移がない場合を指す。病期でいうとゼロ期、1期が早期がんに相当する。乳がんの生存率は、胃がんや大腸がんと違い10年生存率で比較する。早期がんの10年後生存率はおよそ90%。病期が第4期の進行がんでは10年後生存率は25%にまで下がってしまい、雲泥の差がある。